【保管庫閲覧規則】


1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。


※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。


《編纂室連絡窓口》

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【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ

◆未分類抄片9件]

※注意※
こちらの抄片は本編軸を無視した混沌空間に積もったものとなります。
《なんでも許せる方向け》となっておりますので、本編のイメージが大事な方はお気をつけください。
(R15相当の下ネタ的話題を含みます)

〔 112文字 〕


【人物】ネクロ テル エルリュー
=====================

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〔 73文字 〕


【場所】東部
【人物】ネクロ テル ロイス エリーゼ
※本編漫画14話『Come Date with Me』のプロト版です。
=====================

◆1

ロイス「ディナーデートさせる?」
「誰を?」
ネクロ「テル」
ロイス「誰と」
ネクロ「協力者を募って何人か用意して選ばせる」
ロイス「……それ意味あるの?」
ネクロ「いつか彼女欲しいとか言いながら一向に動く気配がない。多少強引にでも機会を作らねぇと一生あのままだ。来週の星送りの予定埋めさせてやる」
ロイス「お節介焼きだなぁ~本人の自由だと思うけど」
ネクロ「いいからちょっと協力しろ」

◆2

エリーゼ「あたしそういう話大好きよ」
「あんたは嫌いだけど」

ネクロ「お前……必ずいるな……」
エリーゼ「ところで先に星送りが何か説明してくれる」
ネクロ「あ?」
ロイス「それでは説明しよう」
「星送りとは、雨季に入る前に星空をゆっくり眺めて過ごそう、という期間の事で、この間に恋人を作ると長続きするという謂れがある」

エリーゼ「ああ…雨が降ったら部屋でイチャつけると……」
ネクロ「察しがいいなネズミにしては」
エリーゼ「次バカにしたら凹ますわ」



ロイス「でもエリーがいた方がやりやすいかもね」
ネクロ「………まぁいい。好きにしろ」

エリーゼ「人にものを頼む態度~?」
ネクロ「お前は首突っ込みに来ただけだろうが」

後日
テル「なんなんですか急に食堂に来いって……」
ロイス「ごめんね、すぐ済むから」

◆3

ロイス「おまたせ~」(食堂入り)
テル「???」

ロイス「はい突然ですがこの中から週末デートする相手を選んで下さい」
テル「は?」

ロイス「エントリーナンバー1番、胡蝶館のプリムラさん」(衝立のカーテンから出てくる)
プリムラ「ハ~イ!」

テル「えっ!?いや何!?どういうことです!?」



プリムラ「好きな食べ物はぁレアステーキです♡」

(裏にて)エリーゼ「どう見てもあいつの苦手そうなタイプよね」

テル「本当すみません僕……夜のお店の方は、ちょっと苦手で……」レアステーキも…
(裏にて)エリーゼ「やっぱり」

プリムラ「なんであたしを呼んだのよ!」
テル「知りませんよぉ!」
(裏にて)ネクロ「前哨戦だ。これでいい」

◆4

ロイス「エントリーナンバー2番、老舗工房織り子のヘリーさん」
ヘリー「好きな飲み物はウォッカでーす☆」

テル「ミヤの……友達の……」
ヘリー「おにーさんどもー」

(裏にて)エリーゼ「これもタイプじゃなさそうだけど」
テル「無理ですね」
ヘリー「だよねー」

テル「(母語で)……ミヤには言うなよ」
ヘリー「(母語で)もう言っちった☆」
(裏にて)ネクロ「顔見知りで油断を誘う。勝負はここじゃない」



ロイス「続いてエントリーナンバー3番、うちの使用人のエルダさん」
エルダ「あっ、ど、どうも初めまして……!」

エルダ「えと……好きな動物は……子ヤギ、です……(汗)」

テル「(かっ、かわいい……!)」

(裏にて)ネクロ「先の二人が露骨に対象外な分かなり攻撃力は増すはずだ」
(裏にて)エリーゼ「タイプ分かりやすっ」

◆5

エルダ「あ、あの私……男の人とあまり話したことがなくて……その……ご、ご一緒してもつまらないかも……しれません……」

テル「(これは…)」
(裏にて)エリーゼ「エルダのあれは天然培養で演技じゃないのは保証するわ」

(裏にて)ネクロ「今回ばかりはお前が役に立った」
(裏にて)エリーゼ「もっと感謝しなさいよね連れてくるの大変だったんだから」

テル「え、えっと……」
(裏にて)ネクロ「(落ちろ……!)」



テル「僕には勿体ないです……」
「謹んで辞退させて貰います……」

(裏にて)ネクロ「なんでだよ」
(裏にて)エリーゼ「プーッ」

テル「大体こんな急にデート相手選べとか言われても無理ですって……」
ロイス「だよねぇ」

(裏にて)ネクロ「クソ……」
(裏にて)ロイス「君ちょっと」

◆6

(裏にて)ネクロ「あ?」
ロイス「(耳打ち)」
ネクロ「は?なんで……」
ロイス「いいから。ちょっと試しに」
エリーゼ「ププーッ」

ロイス「最後にもうひとかた、エントリーナンバー4番クローネさんです」

クローネ(女装ネクロ)「………」
テル「あ、この方で」
エリーゼ「早っ」

ネクロ「オイ……」
テル「重めの赤ワインがお好きでしたよね。枝通りに眺めのいい静かなカントリーレストランがありまして、肉料理やデザートのプラリネチョコがワインによく合い絶品なんだとか。プライベートブースがあるので人目も気にせずゆっくり楽しめますよ」



エリーゼ「デートプランが一息で出てきたわ」
ロイス「完璧に嗜好を把握してるね」

ネクロ「お前……俺を指名してどうする……」
テル「だって一番安心するんですもん」

「僕にはまだ女性とデートとかそういうの、早いんじゃないですかね」
「あとそれ似合ってますね(笑)」
ネクロ「うるせぇ」

エリーゼ「とんだ茶番だわ」
「楽しかったけど」
ロイス「皆さんご協力ありがとうね」参加女性達に菓子折りを渡す


===

本当にデートに行く?行かない?


行った場合

===

◆1

テル「では乾杯」
ネクロ「乾杯」
テル「……意外と飲みやすいですね」
「もっとキツイのかと思ってました」
ネクロ「甘いからな。慣れない奴があんまりぐいぐい行くと悪酔いするぞ」

◆2

ネクロ「ったく……なんでこうなる……」
テル「いいじゃないですかたまには。出張以外で外食なんて早々しないですし」
ネクロ「お前から隠れ家レストランが出てくると思わなかった」
テル「前に近くを通って覚えてたんですよ。総長が好きそうだなって」
「まさか一緒に来れると思いませんでしたが……総長がやらかしてくれたお陰ですね」
ネクロ「チッ………」

◆3

テル「いい景色ですね」(夕暮れの街並みを見下ろし)
ネクロ「……」
テル「こうして遠くから眺めると平穏がどこまでも続いているみたい」
ネクロ「……そうだな」
テル「裏通りに降りれば一気に現実ですけどね」
ネクロ「……」


テル「でも今日は、そんなこと知らないお気楽な客として美味しいお料理を楽しみたいです」
ネクロ「その相手を用意してやったってのに……」
テル「だから急に知らない人となんて無理ですって」
ウエイター「お待たせ致しました」

◆4

生垣の向こう


エリーゼ「……普通に楽しんでるみたいね」
ロイス「ね」

エリーゼ「人騒がせなやつだわ」
ロイス「ほんとにねぇ」クスクス
エリーゼ「ま、ついでに博士とタダでデートできて嬉しいけど」

(回想)
ネクロ「ああもうお前らも来い。ついでに予約する」今回の礼で
ロイス「デートなんだから2組にしといてね」
ネクロ「………」
(回想終わり)

エリーゼ「それにしてもあいつ、本気で誰かとくっつけようとしてるのかしら」

◆5

ロイス「なんかねぇ……気がかりみたい」
エリーゼ「余計なお世話だわー」
ロイス「まぁねぇ」
エリーゼ「どう見たってアレあいつのことしか見てないじゃない」
ロイス「………」


ロイス「そう思う?」
エリーゼ「そうでしょ」
ロイス「……うん……」「……でも参謀としての、じゃない?」
エリーゼ「そうかしら」

◆6

ディナーを楽しむネクロとテル

エリーゼ「あたしはなんか少しだけ気持ちが分かっちゃうわ」
ロイス「……」
エリーゼ「今のまま、できるだけ一緒に居られたらそれでいいってやつでしょ」
「先なんてない」


ロイス「………」

◆7

エリーゼ「嫌だわあたしまだ若いのにこんなこと言って」
ロイス「……エリーは時々本当は10個くらい上なんじゃって思うよ」
エリーゼ「そしたら博士より年上になっちゃう」
「……でも楽しいのは本当」「堂々と外食なんて初めてだもの」
ロイス「……そうだね」「こういう店なら時々来てもいいかもね」
エリーゼ「やったぁ♪」

◆8




テル「本当にご馳走になっていいんですか?」
ネクロ「俺の撒いた種だ」
テル「ありがとうございます。ご馳走様です」「次があったら出させて下さい」
ネクロ「バカ次は女と行け」
テル「(苦笑)」

◆9

テル「じゃ、お気をつけて」
ネクロ「お前もな」

テル「………」
三日月が浮かんでいる
テル「………」「満腹……♪」


===

end

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〔 3572文字 〕


【人物】テル エルリュー ネクロ
=====================

テル「エルリューさんにとっての総長ってどんな存在ですか?」
エルリュー「生意気でデキのいい弟」

テル「デキいいですか」
エルリュー「良すぎだな。お陰で損する」
テル「……」
エルリュー「お前にとってはどうなんだ?」
テル「僕ですか?」
「僕にとっては……」

テル「……不器用で寂しがり屋な、優しい人です……」
エルリュー「…………」
テル「優し過ぎるのが難点かと……」
エルリュー「……そうか」



ネクロ「俺にとってのテル?」
エルリュー「そう。可愛い参謀?」
ネクロ「……」
「信頼できる目であり武器だ。よく研がれた刃物」
エルリュー「……個人的には?」
ネクロ「……個人的もなにもない」
エルリュー「そうか?なんかあるだろ」

ネクロ「……しいて言うなら……辛抱強い」
エルリュー「そこがチャームポイント?」
ネクロ「……知識に貪欲で、いつでも芯は冷静で賢い。敵には回したくない」
エルリュー「……」
ネクロ「俺は立場上あいつを評価する視点になるが、あいつの能力は純粋に尊敬している。俺には持ち得ないものだ」

エルリュー「お前さ、テルには結構甘えてんのな」
ネクロ「は?」
エルリュー「テルはお前の事不器用だって」
ネクロ「……」
エルリュー「俺はお前は器用過ぎるんだと思ってた。物分かりが良すぎだって」
ネクロ「……」
エルリュー「良かったな。何でも受け止めて貰える相手に出会えて」
ネクロ「別に……」
エルリュー「何やっても離れないって安心感があんだろな」
「俺だってお前の事なんでも受け止めてきたと思うんだがなぁ」
ネクロ「知るかよ……」
エルリュー「昔からビミョーに尊敬されてない感あっからな……」
ネクロ「自覚あったか」
エルリュー「おお?」
ネクロ「お前の方がテルよりずっと頼りない」
エルリュー「冗談」
ネクロ「真面目に」



テル「……実はずっと会話を聞いていた訳なんですけども」
ネクロ「……!!」
「……テメェどういう企みだ……」
エルリュー「別に……単なる好奇心で……」
「こんな傷付く羽目になるとは思ってなかったが……」
ネクロ「お前がそうだから俺がこうなんだってよく分かっただろ」
エルリュー「うっ……」

テル「そして僕がこうだから、貴方がそうであると」
ネクロ「…………」
テル「甘えて貰えているなら大変嬉しいです。時々ムカつきますが」
ネクロ「チッ……」
テル「これからもどうぞ存分に」
ネクロ「おいハゲ」
エルリュー「俺に振るなよ……」
ネクロ「ハゲの自覚もあったか」
エルリュー「お前なぁ!この状況でなぁ!」
テル「はいはい落ち着いて」

テル「ええと、」
「こういうやりとりがあっても、エルリューさんは総長を”デキがいい”と評価されてる訳ですが、僕からしたら充分”甘え”に映るので、エルリューさんの視点は総長に対する尊重に溢れていると思うんですね」
ネクロ「……」
エルリュー「……」
テル「そして総長はエルリューさんにもいつも甘えているんですよ。不器用ながら」
エルリュー「なんて可愛げのない……」
ネクロ「お前に大人げがないんだ」

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〔 1360文字 〕


【人物】テル ネクロ
【※注意】タイトルの通り死亡シーンを含みます。辿り着くひとつの未来の形として考えたものです。
=====================


病院のベッドで横たわるネクロ(60過ぎ)を見舞うテル。
髪は豊かなままに灰色になり、かつて負傷した右目は失明し白濁している。筋肉は随分と落ち、以前の姿に比べると一回り小さくなったように感じる。

ネクロはテルに、いずれ迎えに来るので待つようにと告げる。
テルはロイスの気持ちが分かったと答える。了承し、二人は別れ、ネクロは程なく家族に看取られ永眠する。一人娘のアンジェは30を越え、結婚し子供もいるかもしれない。

大々的な葬儀が営まれ、大勢の参列客の前で、パレシアに促され棺を覗き込むテル。
胸に組まれた手に触れると冷たいが、「生前から冷たかった」とおどける。そして首筋に指をあて、脈がないのを確かめる。パレシアを伺うとお好きなように、と言うように穏やかに見守っており、テルは棺の上に屈み込むとネクロの額に自分の額をそっとあてる。一部参列客が静かにどよめく。

別れを済ませ、ネクロの身体は遺言通りに焼かれる。

焼かれて早く身体を失ってしまった方が、すぐにどこにでも存在を感じられるようになる。

生前そう言っていたとパレシアが呟き、テルは、きっと彼がガストをそう感じていたんだろうと答える。
そして確かに、こうして天に昇る煙を見ると、今夜からは月を見上げればそこに、これまで以上にあの人を感じるだろう、とテルは言う。

それから24年。

妻、妹すらも見送りながら、テルはネクロを待ち続けた。
月夜には窓辺で楽しそうに棋譜を並べ、向かいの空席には必ず酒の入ったグラスを置いた。
まるで相手がいるかのように振る舞う姿は親族には不気味にも映り、すっかりボケているのだと思われもした。
しかし頭は常に冴えていた。

ある時久々に会ったルイに、後を追いたくならなかったのかと問われ、かつての父のように蓄えた口髭を撫でながら、ならなかったと自分でも意外そうに答えた。
何故なら月が昇ると毎晩楽しく、生前以上にネクロが身近に感じられたからだと。

テル「なるほど上手いやり方だった。これなら一晩に10人にだって会いに行ける」
「気の多いあの人にはうってつけだ」

テル「私も死んだら焼いて貰おうと思う。その方が早く自由な存在になれそうだから」

ルイ「俺の事もいつか見送ってくれる?」
テル「寂しいことを…」
「けれど、それがあの人の台本だと言うなら、仕方ない」

テルはルイを見送ることはなかった。

自宅のベッドに横たわるテル。周りを親族が囲っている。
顔を見れば、ミヤや父母、在りし日の自分の面影がそこにある。

旅立った家族に再会したくて、人は血を繋ぐのかもしれない、それも一つの真理なのだろう、とテルは呟く。

若い頃から死を恐れたことはなかった。それは無関心によるようなものだったが、今は違う。肉体は滅んでも、世界は滅びはしない。世界が有る限り、そこに皆生き続ける。時には空飛ぶ鷹に、月に、面影に。
それをあの人は最期に教えてくれたのだ。

息子に、遺言通りに火葬するように、と念を押す。
娘に、一部は母さんの墓に、と告げる。

素晴らしい経験を得た。自分一人の力ではなし得なかったと、先立った妻への深い感謝を告げる。
そして親族一人一人に目をやる。呼吸は静かに浅く、手足の感覚は徐々に遠く感じ始めている。

ふと、親族の合間に黒いモヤのような影を見る。
目を凝らすと、それは薄汚れたカーキ色のフードを深く被った人物だったと気付く。
そのフードの下の青白い肌色に、老いて尚よく見えた瞳を見開くテル。フードの人物はゆっくりと顔を上げ、所々裾のほつれたその布の奥から、かつて共に過ごしたあの頃のままの姿が現れていく。宵闇を思わせる真っ直ぐな髪の合間から見慣れた眼光がこちらを見据え、そのまま彼は、「よぉ」とあっけない程気軽な声を投げた。

見開いたテルの震える瞳は虚空を一心に見つめている。

親族達は視線の先を追うと、誰もいないその空間に、話に聞いた存在を思い描いた。

虚空の死神はニヒルに笑うと「約束通りに」と呟いた。
テルは絞り出すように「ええ」と返した。
こちらに伸びた彼の手を取りながらテルは親族を一瞥し、
「それじゃあ、行ってくる」と、まるで近所にふらりと散歩にでも出掛けるような口ぶりで、最期の言葉を遺した。

娘がその末期をルイに伝える。

ルイ「凄いなぁ、本当に叶ったんだ」
娘「父の、頭の中での事ですけれど…。父は、本当はずっと、あの人と離れたくなかったんじゃないかと思ってしまって…家庭を持つことよりも、そちらを選びたかったんじゃないか、不本意だったんじゃないかって…」
ルイ「けれど、結果こうして、大勢の家族に看取られてこの世を去った。それが全てじゃないかな」
「きっかけを与えたのがネクロでも、それを成し得たのはテルさん自身だ」
「この24年を生きたのも彼自身の力だった。凄いことだよ」
娘「……」

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〔 2120文字 〕


【人物】エリーゼ ルイ ショウ
=====================

エリーゼ「もうあれから10年か~怖いわね~!」
ショウ「お前に怖いものあったのか……」
エリーゼ「怖いわよ!もうじき30なんだから!お肌の曲がり角~」
「……ね、ちょっと懐かしい話しない?」
ショウ「なんだよ唐突に……」
ルイ「懐かしい話?」
エリーゼ「始めて会った日覚えてる?あたし達と」
ルイ「ああ、覚えてる」
エリーゼ「正直どう思った?第一印象!」
ルイ「うわ、苦手……」
ショウ「だよな~……」
エリーゼ「ヒド!」

ショウ「お前ぐいぐい行き過ぎで端から見ても怖かったぞ」
ルイ「食われるかと思った」
エリーゼ「人を化け物みたいに」
ショウ「そういう勢いだったろ……」
ルイ「ほんと、結構本気で帰りたかった」
エリーゼ「えぇ~ちょっと想定と違うんだけど!もっとこう、可愛くて一目惚れだった!とかないのぉ?」
ルイ「ないな」
ショウ「ないね」
エリーゼ「あんたに聞いてないのよバカショウ!」

ルイ「俺、もっと肉付きいい方が好きだし」
ショウ「……お前はそうだよな。確かに……」
エリーゼ「スレンダーの良さがわからないなんて……人性半分損してるわ」
ショウ「そういうお前も別に俺達タイプじゃないだろ」
エリーゼ「えっ、まあね」
ショウ「なんなんだよもう……」

ルイ「タイプなんだっけ?」
エリーゼ「眉目秀麗で~お金持ちで~優しくて~絶対幸せにしてくれる人!」
ショウ「それタイプなのか……」
ルイ「結婚する気ないの?」
エリーゼ「……ほんとオブラートを知らない男よね……」
ショウ「しょうがない、こいつ脳筋だから……」
ルイ「俺それ悪口だと思わないから」
ショウ「出た……筋肉は裏切らない……」
ルイ「実際裏切らない」
エリーゼ「ああやだ」
「もうちょっとレベルの高い話してよ!」
ショウ「お前も正直どっこいだけどな」

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〔 824文字 〕


【人物】大人数
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〔 69文字 〕


【人物】エルリュー テル
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エルリュー「そりゃ好きかって聞かれたら好きだろうがよ……」
テル「ですよね。当然ですよね」
エルリュー「ただ恋愛感情かって言われると違ぇかなって……」
テル「分かります」
エルリュー「別にあいつに女がいようがどうでもいいけど男がいたら正直腹立つ……」
テル「とてもよく分かります」

エルリュー「お前ネクロとどうなりてぇの?」
テル「現状維持です。一緒に仕事出来ればこれ以上のことはありません」
エルリュー「一緒に暮らしたいとかは」
テル「ないですね。僕らその辺の相性はイマイチなんですよ」
エルリュー「そうなのか……」
テル「だからエルリューさん達はかなり特殊だと思いますよ。僕らだってモーテル同室だと色々揶揄されますけど、常に同じ屋根の下ですからね……何もないと信じて貰うもの難しいですよね」
エルリュー「俺的にはモーテルの方が何かやましい感じがするが……確かに大半は信じてくれねぇ……絶対肉体関係があって、俺が下と決め付けられる……」
テル「正直分かります」
エルリュー「……お前らは?どっち説が主流?」
テル「最近は総長下説が押してますね」
エルリュー「あぁ……」

テル「エルリューさんは、家では同居人で、職場では上司って関係違和感ありませんでした?」
エルリュー「あぁ……なんだろな……元々あいつその辺曖昧というか……上司上司してないっつーか……職場でも馴れ馴れしいからな……」
テル「なるほど……」
エルリュー「怖、って思ったことは何度かあったけどな」
テル「そうなんですね」
エルリュー「でも家ではいつも通りで、器用な奴だったんだよ」
テル「エルリューさんの方が器用なのかと思ってました」
エルリュー「手先はな?でも切り替えっつーか、感情のコントロールっつーか、その辺はあいつの方が圧倒的に上手かったな……」
テル「……」
エルリュー「お前も得意な方だよな」
テル「まぁ、役割上、必要なので」
エルリュー「誰にでも出来る事じゃねぇし、それで潰れる奴もいるから、上手くいなせるのは才能だな」
テル「そうですね……」

閉じる ∧

〔 926文字 〕


【人物】ネクロ テル ロイス
=====================

ネクロ「普通にあるが、抑制出来ない程ではない」
ロイス「対女性という意味では正直無い」
テル「そうなんですか」
ネクロ「全く?」
ロイス「全く。特に不便もないけど」
ネクロ「そうか…………」

ネクロ「お前はあるのか?」
テル「……ありますよ」
ロイス「あるんだ」
ネクロ「ならとっとと」
テル「ハイハイハイ店は嫌です」
ロイス「あるなら色々と大変な年頃じゃない?」
テル「いやー……まぁ……」
ネクロ「素振りがないがな」
テル「総長は人より旺盛なんですよ……」
ロイス「それはそうだね」
ネクロ「何基準で言っている?」
ロイス「性欲解消の為なら不特定多数と金銭授受により関係を持てるところ?」
テル「おっしゃる通りかと」
ネクロ「………………」
テル「僕はそこまでではないという話です」

ネクロ「女に勃つことは勃つ?」
ロイス「君その質問好きだよね~!」
テル「ロイスさんに普段そんな暴言を……」
ネクロ「どこがだよ……結局そこが真理だろ」
「お前は勃たないってことだろ」
ロイス「まぁそう」
テル「プライバシーに土足で踏み入ってると思うんですけどね……」
ネクロ「今更だ」「で」
テル「た……」
ネクロ「……」
テル「……」「いや無理です何ですかこれ何で上司の前でそんなこと宣言しなきゃならないんですか」
ネクロ「大したこと訊いてねぇだろ……」
ロイス「それは人によるんだよねぇ」
「好きな女性のタイプというのがある時点で察しておこうよ」
ネクロ「お前の好きな女のタイプは」
ロイス「おおらかで穏やかな人かな」
ネクロ「……」
ロイス「テルさんは性欲あるって言ってるんだからそれで充分でしょ」
ネクロ「俺の前で言い淀むのが納得いかない」
テル「それが横暴ってやつです……」
「気になる気になる言われると余計言いにくくなるものですよ」
ロイス「確かにね」
ネクロ「俺のせいかよ」

テル「総長とは価値観が違うんですよ。僕はあんまりオープンにしたくはないんです」
ネクロ「カオストークだろが……」
ロイス「それもそうだね」
テル「言い方ですよ。たつとかたたないとか直接的過ぎなんです。性的対象は異性かどうかと訊けば充分でしょうが」
ネクロ「……性的対象は異性かどうか」
テル「異性です」「はいおしまいです」
ネクロ「……」
テル「何が不満なんです」
ロイス「君はテルさんとオープンで明け透けな下ネタトークがしたかったんでしょ?」
ネクロ「……」
テル「ご期待に添えず申し訳ありません」
ロイス「その辺は向き不向きがあるからね」
ネクロ「……」
テル「大体何で僕の性的嗜好にそんな関心があるんです……」
ネクロ「お前がその年齢なのに童貞だから」
テル「偏見!」
ネクロ「お前の村なら結婚してる歳だって言ってただろ」
テル「今は村暮らしではないので」
ロイス「環境って大事だよねぇ」
「君だってその環境で育たなかったら今の価値観は持ち得ていなかったかもよ?」
ネクロ「…………」
テル「そういうことですよ」

========
漫画『アフターゴッド』で
「人を愛することと性欲がどう結び付くのか分からない」
という台詞があり……………………
========

テル「ですね」
ネクロ「何でだよ……」
テル「だって別に、必ずしも必要ないでしょう?性欲処理自体は一人でも出来ますし」
ネクロ「それが生き物の本能だろ……」
テル「つまり繁殖ってことですよね。なら同性愛はどうなります?師弟愛、兄弟愛は?」
ネクロ「…………」
テル「愛イコール性欲ではないでしょう」
ネクロ「……確かに……」
テル「だから僕は貴方を本当に愛していますけど、そこから性衝動には繋がらないんですよ」
ネクロ「…………」
テル「理解して頂けます?」
ネクロ「…………それ自体は……」
テル「何が不服なんです?」

ネクロ「確かに結び付かない愛もあるが、結び付く愛もあるだろう……」
テル「…………」
ネクロ「そこは理解できるのか?」
テル「……………………正直、愛はなくても生殖行動はとれると思います」
ネクロ「……………………」
テル「総長はとれないですか?」
ネクロ「……………………」
テル「だから僕の中では、その行為よりも、感覚の方が大切なんです」
「相手を愛しく想う、感覚」
ネクロ「………………」
テル「総長は、誰かを愛しいと感じた時、即ヤりたい、ってなるんですか?」
ネクロ「……………………(考えている)」
テル「毎回そうなら相当ですよ…………」
ネクロ「そういう訳では……」
テル「なら良かったです」
ネクロ「…………」

ネクロ「つまりお前は好き合った心底好みの女を前にしても、ヤりたくはならない、と……」
テル「………………そう、なりますか…………」
「そりゃ流れによってそうなる可能性も否定できませんが、そんな好物を前にした犬みたいに無我で襲いかかります?そこまで理性ってなくなります?」
ネクロ「………………」

ロイス「この話題で食い違う君達見てるの面白いよね」
ネクロ「何呑気に紅茶しばいてやがる……」
テル「良い香りですね」
ロイス「ね、ベルガモット」

ロイス「さっきの話だけど、私はテルさん派だな」
テル「わーい」
ネクロ「…………」
ロイス「人を愛するのは理性であって欲しい。本能的に惹かれたんだとしてもね」
ネクロ「愛と性欲は」
ロイス「イコールではない。性欲と切り離しても愛することはできる」
ネクロ「…………」
ロイス「君はさ、性行為を愛の証明と捉えているんだよね」
ネクロ「…………」
ロイス「それはそれでとてもロマンチックな事だと思うんだよ。うん。君はロマンチストだしね」
ネクロ「馬鹿にしてんのか……」
ロイス「してないよ。君の長所だと思ってる。素敵なとこだよ本当に」
ネクロ「…………」
ロイス「確かに無防備な姿を晒して相手を受け入れる行為は、相手への信頼がないと成り立たない。その信頼はイコール愛とは言えるかもしれない」
ネクロ「………………」
ロイス「けれど、そういった相手を蹂躙する行いには、愛は関係するのだろうか。それは征服や暴力に似たものではないだろうか」
ネクロ「……そういうケースがあるのは否定しない。ただ、全てが征服欲によるものじゃない。場合によっては奉仕でもある。いずれにせよ健全な行為であればそれは相互関係によるもので、一方的なものは全て不健全だ」

ロイス「君の行為は健全だと?」
ネクロ「対価によって合意を得た健全な行為だ」
ロイス「お互い了承の上に興じる一夜の夢?」
ネクロ「そうだな」
ロイス「その愛は朝には凪いでいる?」
ネクロ「…………」
ロイス「舞台のようなものだよね。役者達が魂を込めて踏む演目」
「君はそういった舞台の熱心な演者なんじゃないかな。つまり趣味」
テル「趣味……」
ネクロ「…………」
ロイス「愛のある二人の間の一夜、というお題目に執心している。けれど、結局それは、二人で創り出した創作なんだよね」
ネクロ「…………」

ロイス「君の長年探している真実の愛っていうのは、テルさんが持ってるものだよきっと」
ネクロ「は?」
テル「…………」
ロイス「少年時代に抱く、穢れのない永遠への憧憬。そういった、清らかなもの。何も対価を要さないもの」
ネクロ「…………」
テル「…………」
ロイス「それは私と君との間にも多少はあるかもしれないね?君は私と性交渉がなくても家に訪ねて来てくれるでしょう?」
ネクロ「そりゃ…………」
ロイス「そういうことだよ。テルさんが言っているのは」
ネクロ「…………」
テル「…………」

ネクロ「なんでお前まで黙る」
テル「ロイスさんの方が納得させるの上手いなーって感心して……」
ネクロ「…………」
テル「探してたんですか?真実の愛」
ネクロ「知るか」
テル「僕はいつまでも貴方を愛していますよ」
ネクロ「…………」
テル「貴方がどんなバカやっても愛しています」
ネクロ「………………」
テル「貴方がいないと生きていけませんし」
ネクロ「……………………」
テル「僕の人生は貴方に捧げています」
ネクロ「…………………………」
テル「…………」「ムラムラしてきました?」
ネクロ「バ………………!」
ロイス「………………まんざらでもないんだよね~」
ネクロ「違……」
テル「そうなんですねぇ……」
ロイス「彼はやっぱり心底結び付いているんだねぇ」
テル「抱かれたくなっちゃうんでしょうか……」
ネクロ「だから……!」
ロイス「多分ねぇ~そこに幸福を得ちゃうんだろうねぇ~」
ネクロ「なんで俺がそっち側前提で……!」
テル「じゃあ僕を抱きたくなりました?」
ネクロ「……、……、」
ロイス「遊び過ぎなんだよ君は…………」
テル「困ったものですよねぇ……」
「こっちの身にもなって欲しいですよ……」

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