【保管庫閲覧規則】
1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
《編纂室連絡窓口》
【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ
白樹暦835年[4件]
【場所】#東部
【人物】#エルリュー #ネクロ
=====================
自宅にて
ガスト殉職を受け、必要書類を前に
エルリュー「……今更だけど……俺……あいつの同居人以外の何でもないんだよな……」
ネクロ「……」
エルリュー「これまでも散々人に聞かれたりして、何でもねぇよって答えてきたけど、こうして公的な手続きとかあると、俺にやる権利無さすぎて、改めて、なんか……」
ネクロ「堪えるか」
エルリュー「…………」
ネクロ「……あいつの何でありたかった?」
エルリュー「……わかんねぇ……」
「けど……俺が後始末する権利くらいあってもいいんじゃねぇのって……ちょっと、思っちまった……」
「このサイン、俺が書いたって……俺が……」
「……」
ネクロ「……」
エルリュー「まあ俺が書いたんだけどさ……」
ネクロ「カスタ(長子)が未成年だったからな」お前後見人だから
ネクロ「充分ただの同居人じゃねえじゃん」
エルリュー「あと数年よこんなん……」
ネクロ「あと数年で俺らとも他人かよ」
エルリュー「……」
ネクロ「紙切れの方が信頼できるならどうぞお元気で」
エルリュー「………悪い……」
ネクロ「世話焼けるオッサンだよな全く」
エルリュー「まだオッサンじゃねぇし……」
ネクロ「37!」
ネクロ「お前が望むならくたばった後はヒゲの墓にブチ込んでやるよ」
エルリュー「……お前にもそんな権利ないだろが……」
ネクロ「……」
エルリュー「俺死んだらどうなんのかなぁ。そういや考えたことなかったな。あの女まだ生きてんのかな……」
「あの女に手続きされんの癪だなぁ……」
ネクロ「なら今のうちに結婚相手見つけとけよ」
エルリュー「あぁ、そっか……」
ネクロ「……」
「俺は、エルリューが他人だと思ったことねぇから」
エルリュー「……」
ネクロ「何もできねぇのが悔しいのは、こっちもだから」
エルリュー「可愛いやつ…………」
ネクロ「黙れ」
閉じる ∧
【場所】#護衛部東本部
【人物】#ネクロ #イワノフ
=====================
早朝 本部内
ネクロ「……」
イワノフ「おう、早いな」
ネクロ「……」
イワノフ「なんか用か」
ネクロ「……」「総長」
イワノフ「……」
ネクロ「あいつの」
イワノフ「……」
ネクロ「……ガストの、やってた事を教えてくれ」
イワノフ「……やってた事?」
ネクロ「あいつが朝来たら何をやってたのか」
イワノフ「……」
イワノフ「……どうした坊、組織運営にゃ更々興味がねぇんじゃなかったか」
ネクロ「……気が変わった」
イワノフ「ほう……」
「ならようやく本気でしごかれる気になったってのか。貴族交渉」
ネクロ「……あぁ」
イワノフ「そりゃ朗報だな。使える手駒がスッカラカンだ。早いとこ楽させてくれ」
ネクロ「……すぐ楽にさせてやるよ」
イワノフ「……あん?」
ネクロ「その椅子は降りて貰う」
イワノフ「……」
「言ってる意味分かってんのか?」
ネクロ「俺が総長になる」
イワノフ「……」
「ハッ!!朝から飛ばすなぁ坊」
ネクロ「だがまだ力不足だ」
イワノフ「……」
ネクロ「あんたには敵わない。あらゆる面で」
イワノフ「……」
ネクロ「俺はあんたを負かしてその椅子を得る。だからあんたも本気で相手をしてくれ」
イワノフ「……」
「……その覚悟がママゴトじゃねぇって証明できるか?」
ネクロ「あんたの命令は何でも聞く」
イワノフ「……言ったな?」
ネクロ「どんな雑用でも面倒事でも聞いてやる。その代わりあんたも俺に付き合って貰う」
イワノフ「なんだ」
ネクロ「就任決闘」
イワノフ「……クッ……」
「クククッ……!本気か」
ネクロ「四半期毎、必ず挑む」
「いずれ負かす」
イワノフ「クハッ!こりゃいい」
ネクロ「……ちっとは先行き明るくなったかよ」
イワノフ「ハハハッ!坊お前、一丁前に俺の心配してやがったのか?可愛い奴だな」
ネクロ「違う」
イワノフ「……」
「……"大将の"護衛部の先行きか」
ネクロ「……」
イワノフ「昔からクソ生意気だったもんなぁお前は……」
「大将の為なら俺に尻尾振るのも厭わねぇってか。見上げた忠誠心だな。泣けるぜ……」
ネクロ「……」
イワノフ「(食えねぇ目で睨みやがる……)」
「……俺の雑用なんか聞いてたら自由時間なんて無くなるぜ?軽々しく口にしたって後悔すんぞ」
ネクロ「上等」
イワノフ「……」
ネクロ「それとは別としてさっき聞いたガストの日課を教えろ」
イワノフ「そんなん本人に聞いてねぇのかよ」
ネクロ「……仕事の話は最低限しかしなかった。……最期まで、子供扱いだったからな」
イワノフ「……」
ネクロ「……あんたは、あいつとは違うんだろ」
イワノフ「……当然だ。あんな能天気と一緒にされちゃあ堪らねぇ……」
イワノフ「……」
「……暇潰し程度に付き合ってやるよ。精々俺を飽きさせないよう頑張って踊るこったなぁ、プリマ目指して」
ネクロ「……オッサンも精々胡座かいてろよ」
イワノフ「おうおう最初の白々しさはどうした?まずは正しいモノの頼み方からレッスンしねぇとな」
閉じる ∧
【場所】#護衛部東本部
【人物】#イワノフ #キールニー
=====================
イワノフ「……」
キールニー「……以上が顛末だ」
イワノフ「爆弾抱えて飛び散ったってのかよ」
キールニー「……」
イワノフ「オイ」
キールニー「そうだ」
イワノフ「……冗談じゃねえぞ……」
キールニー「……」
イワノフ「本当に奴なのか?」
「確かに証拠はあんのか?」
キールニー「遺留品は保管庫にある」
イワノフ「……」
キールニー「タグとコインとライターだ」
イワノフ「……それだけか」
キールニー「残りは燃えた」
イワノフ「ハッ!!」
「……お前は何をやってたんだよ……」
キールニー「……」
イワノフ「お前がしっかり見張っとかなくてどうすんだよ!この木偶の坊が!!」
キールニー「……」
イワノフ「のんびり雲でも数えてたのか!?ええ!?何のために高台登ってんだ!?オイ!!なんとか言えよ!!」
キールニー「……」
イワノフ「……大体あのクソ猫は何してる。自分のご主人みすみす見殺しにして呑気に寝てやがんのか?大した根性だな…」
キールニー「イワノフ」
イワノフ「あ!?」
キールニー「エルリュードも重傷だ。我々は本隊より先に攻撃された」
イワノフ「……」
キールニー「場当たり的な攻撃ではない。他の待機場所も軒並みやられた」
「妨害要素を優先排除し毒ガスを撒いたのだ。とても民間ゲリラの手際ではない。武器入手の経路を含め、黒幕の存在は確定的だ」
イワノフ「……」
キールニー「総長席が空席となり隊も大幅に戦力の落ちた今これからが、最も警戒すべき時だと言える」
「お前の力が要る。」
イワノフ「チッ……なんだってんだ畜生……」
キールニー「今、隊が瓦解するか否かはお前にかかっている」
イワノフ「じゃあ俺がぶっ壊してやるよこんなクソみてえな組織」
キールニー「……」
イワノフ「俺が好きに出来るんだろ?ならいいよな?適当にほっぽったって何ともならねえよ」
キールニー「……」
「ガストに」
「顔向け出来るならな」
イワノフ「……」
キールニー「……忘れ形見も、いるだろう」
イワノフ「……何が顔向けだ……」
「何が忘れ形見だよ……そんなのまるきし……死人じゃねえか……」
キールニー「……そうだ」
イワノフ「死んだのか……大将……」
キールニー「そうだ」
イワノフ「死んじまったのかよ……」
キールニー「……」
イワノフ「大将……」
キールニー「…………」「残念だ」
イワノフ「……ちくしょ……」
閉じる ∧