【保管庫閲覧規則】


1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。


※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。


《編纂室連絡窓口》

ご連絡・ご感想等は以下をご利用ください。

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【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ

白樹暦841年15件]


【場所】 #護衛部東本部
【人物】#大人数
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〔 81文字 〕


【場所】 #護衛部東本部
【人物】#大人数
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〔 90文字 〕


【場所】#護衛部東本部
【人物】#大人数
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〔 79文字 〕


【場所】#お屋敷
【人物】#ネクロ #ロイス
=====================

ロイスの自室にて

ロイス「君ってさ……酔うと大人しくなるよね」
ネクロ「……は?」
ロイス「大人しくて、素直になる」
ネクロ「……」
ロイス「よく、酔った時の振るまいがその人の本性だとかいうじゃない?」
ネクロ「ああ……」
ロイス「君の本性は素晴らしいねぇ……」
ネクロ「本性て……」
ロイス「だから浴びるように飲んでても咎められないんだろうね」
ネクロ「まぁ……そもそも我を無くすほど飲まねぇしな……」

ロイス「無くしたことってあるの?」
ネクロ「潰れたことは、ある」
ロイス「あるんだ……」
ネクロ「一緒にいたヤツに聞いたら普段とそう変わらなかったそうだが、気付いたら翌朝だった」
ロイス「なるほど……」
ネクロ「あれ以来調子が乗らねぇ時は無理に飲まないと誓った」
ロイス「誓っちゃったの」
ネクロ「時と場所は自分で選びたい……気持ちよく飲みたいからな、アルコールに主導権握られるのはゴメンだ」
ロイス「そっか……」

ロイス「酔うとさ、真っ赤になる人いるよね」
ネクロ「エルリューだな」
ロイス「そうなの?」
ネクロ「あいつビール三杯で泥酔する」
ロイス「それは凄い……」
ネクロ「まぁ言動おかしくなる前に寝潰れるんだが」
ロイス「ああ寝ちゃうんだ」
ネクロ「アルコールに前世で恨みでも買ったんだろうな……」
ロイス「ふふ……アルコールに……」
ネクロ「だから飲んでもほとんどジュースみたいなカクテルしか飲まない」
ロイス「かわいい」

ロイス「そういえばカスタさんは飲めるの?」
ネクロ「弱くはないんだが、深酒すると段々言動が……雑になる」
ロイス「雑に」
ネクロ「雑に……口も若干悪くなる」
ネクロ「だから身内に腹黒扱いされる」
ロイス「はは、私と一緒だ」
ネクロ「……」
ロイス「抑圧してるんだねぇ……」
ネクロ「まぁ、してるんだろうな……」

ロイス「……ルイは飲めそう?」
ネクロ「あー……あんま飲みたがらねぇな。食ってばっかりで……」
ロイス「ふふ……」
ネクロ「まだ食い気が勝ってるんだろ……」
ロイス「健全で何より……」
ネクロ「食い気で思い出したが、あいつ最近ウチの出入りのパン屋にプライベートで通ってるぞ」
ロイス「パン屋?」
ネクロ「焼き損じ目当てに。店の手伝いも多少やってるらしいが」
ロイス「どれだけ食い意地張ってるのか……」
ネクロ「店主にはもう随分気に入られてて、娘の婿になんて話もあるとかないとか」
ロイス「えっ」

ネクロ「あいつと同じくらいの娘がいるんだよ。愛想のない赤毛の……他にチビの弟が二人だったか……」
ロイス「婿……」
ネクロ「今度聞いてみろよ」
ロイス「えっ…………うん……」
ネクロ「……胸中複雑?」
ロイス「いや……逆に今までそういう話が全く出なかった事の方が、驚くべきことだよね……」
ネクロ「まあな。俺から見てもいつまでも毛も生えないガキに思えて結婚だのピンとこねぇ」
ロイス「……そう、だよねぇ……」
ネクロ「とっくに生えてんだけどな」

ロイス「……」
ネクロ「……詳しく聞きたいか?」
ロイス「えっ……いや……」
「なんか……人伝に聞いていい事じゃない気がする……」
ネクロ「ククッ……そうか」
ロイス「笑い事じゃないよ……」
ネクロ「笑い事だろ。まぁ特別変わった造りじゃねぇから安心しろよ」
ロイス「……それは安心……」
「今でも一緒にお風呂入ったりするの?」
ネクロ「たまに?」
「遠征先でいい風呂あったりすると、入ったりするな……」
ロイス「背中流したり……?」
ネクロ「あー……それはあんまり。各々思い思いに」
ロイス「いいねぇ……」
ネクロ「参加したいか?」
ロイス「そうだねぇ……」
ネクロ「じゃあ次入る時は現地から呼び出しかけてやるよ」
ロイス「着くまでにどれくらいかかるのか……」

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〔 1649文字 〕


【場所】#お屋敷
【人物】#ネクロ #テル #ルイ #ロイス
=====================

ロイスの屋敷を訪れたテル、ネクロ、ルイ
大きな木に飾りつけをしている


ロイス「いらっしゃい」

ネクロ「オフじゃない。巡回だ」
ロイス「そうだったね」

テル「賑やかですね。これは……"背が伸びますように"?」
ロイス「星送りの願い札だよ。テルさんのとこはやってなかったかな」
テル「願い札」
ネクロ「願い事を書いて星送り週の最後の夜に燃やすと星に願いが届き、翌年叶うと言われている」
「北の方ではよくやる」外で燃やしたり、暖炉にくべてもいい
テル「へぇ」
「なんでも叶うんですか?」
ネクロ「いい子にしてればな」
ロイス「せっかくだから皆書いていったら」


テル「願い……願いですかー…」
ルイ「"強くなれますように"」
テル「うーん」
「総長はなんて書いたんです?熟女ハーレムとか?」
ネクロ「うるせえ見んな」
テル「いいじゃないですかー……」


《穏やかな夜を過ごせる子どもが増えるように》



テル「………」
「ああ……そうですね」
「貴方は……」




願い札を書くテル

ルイ「テルさんはなんて書いたの?」
テル「秘密です」
ネクロ「人のは覗いておいて……」

テル「無事、星まで届くといいですね」
ネクロ「子供騙しだ」
テル(笑顔)




《あの人の願いが叶いますように》



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〔 629文字 〕


【場所】#護衛部南本部
【人物】#ネクロ #テル #ニコ #サーリー
=====================

立ち話をする4人

サーリー「風の噂で総長は東部風俗街のサイフだと」
固まるニコとテル

サーリー「女どもに操られていルと」
テル「なっ……」

テル「総長は確かに貞操観念がゆるくて財布の紐もゆるいですがそんな救い用のない屑野郎って訳じゃ……」
「ちゃんといいとこもあるんです!」
ネクロ「フォローのつもりか」

ニコ「参謀は知らないかもしれないけどダメンズ養ってる女の台詞だかんなソレ」
ネクロ「確かに……」
テル「貴方が納得していいんですか?」

ネクロ「まあ金なんて俺が持ってなくても周りの奴らは身持ちが固いから問題ない」
ニコ「自然に周囲の人間を自分の財布扱いしてんぞ大丈夫か」
テル「だっ……」

テル「大丈夫です僕はタカられたことないんで……」
ニコ「お前も自分本意かよ大丈夫じゃねぇなコリャ」

ニコ「やっぱり時代は俺だなサーリー」
サーリー「ニコは性格が悪くて敵を作りやすいから難しいかもな!」
ニコ「後ろから刺してくるんじゃない」

テル「どうしたら総長が屑な面だけじゃないと証明できるのか……」
ネクロ「さっきから俺を屑呼びしてんのお前だけだかんな」

テル「僕は貴方をよりよく理解しているからこそです」
ニコ「よく理解した人間からの屑認定は熱いな」
ネクロ「屑はどんなに磨いたとこで屑ってこった」
テル「だから違……!すみません僕の言い方が良くなかったです……!」

テル「大変繊細で情の深い方なんですがちょっと精神虚弱な面があり刹那的快楽に溺れがちなだけなんです……!!」
ネクロ「フォローかこれ……」
ニコ「参謀面白ぇな」
ネクロ「そうだろ、飽きないぞ」
テル「人が真剣なのを面白がって……!」
「……」

テル「」人前でストレートに肯定されて嬉しく時間差で照れている
ニコ「なんだコイツ情緒が忙しねぇな」
ネクロ「平常運転だから気にしないでくれ」
ニコ「お前らよくこれまで舵取りやってこれたな……」
サーリー「仲が良いのは良いことだな!」

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〔 917文字 〕


【場所】#東部
【人物】#ネクロ #テル
=====================

東部郊外
ガタガタした道を車でいくネクロとテル
テル運転


ネクロ「酔う…………」
テル「こんな悪路でお行儀よく運転できるわけないでしょう」

ネクロ「普段から大概……」
テル「責めるなら昨夜深酒し過ぎたご自分を責めて下さいね」
ネクロ「あれはお前が……調子乗るせいで……」
テル「チェスで負けたら1グラスなんて勝手にやりだした貴方が悪いでしょう」
「どうせ負けるんだから……」

ネクロ「うるせ……そういう気分だったんだよ……」
テル「全く、支部視察に行くのに同行者が二日酔いで潰れてる僕の身にもなって下さいよ」

ネクロ「お前も面白がって打ってただろが……」
テル「はい。どんどん勝率下がるのに続ける姿が面白かったです」

ネクロ「連帯責任……」
テル「それでいいので町に着くまで大人しくしてて下さいね」



テル「着きましたよ総長」

テル「総長?」

ネクロ「(助手席で寝ている)」

テル「…………」
「(今日のスケジュール)(宿確保、支部視察、主要施設挨拶、周辺巡回…)」

とろとろ車を走らせる

テル「すみませーん、宿探してるんですが」
町人「2軒あるよ」
テル「安い方で」

安宿の前で
テル「(ボロ~~~~…)」

テル「(宿の店主らしきおじさんに)1部屋とれます?」
店主「あいよ」「ベッド二つ?」
テル「二つあると嬉しいです」
店主「うちは狭いから二つあるのは大部屋だけでね。料金このくらい」指で示す
テル「あー……ならー……一つでいいです……寝具だけもう一組借りていいですか?」
店主「あいよ」
テル「夜にまた来ます」
店主「夕食は」
テル「外で」
店主「あいよ」

助手席のネクロを見る
ネクロ「(未だ寝ている)」

テル「(…とりあえずお腹空いたな…)」

とろとろ車を走らせる

屋台の前で

テル「すみませんチキンサンド二つ、お茶も二つ」
屋台のおばさん「はいよ~」

屋台のおばさん「お兄さんたち見かけない顔だね。どっから来た」
テル「東部市内です」
屋台のおばさん「峠道越えてきたのか。大変だったろ」
テル「ええまぁ」
屋台のおばさん「熱いよ」
テル「ありがとうございます」

町を見下ろす丘に移動

ネクロの耳元で緊迫感ある調子で

テル「……総長」
ネクロ「(起床)」

テル「おはようございます。お昼です」チキンサンドとお茶を渡す
ネクロ「………………」
「………………」
「………………」状況把握中
テル「着いたので宿とりました。支部へはまだです。ひとまずお昼食べましょう」
 
ネクロ「……………」
テル「僕だって総長を寝かしたままで運転することくらいできるんですよ」
「見直して下さいね」

ネクロ「……ああ……うん……まぁ………」
「…………」
「……悪い……」
テル「別にいいですよ。少しは気分良くなりました?」
ネクロ「だいぶ……」お茶を口に含みつつ
テル「何よりです」

テル「さて」食べ終わり

テル「始めますか」
ネクロ「おう」



支部にて

隊員「はぁ?総長?聞いてるか」
隊員「聞いてない」
ネクロ「今月中に視察すると通達したはずだ」
隊員「本当にこれが総長?」
隊員「小さいな」

老隊員「おぉ~坊ちゃん」

ネクロ「生きてたかじいさん」
老隊員「生きてたよぉしぶとく」
ネクロ「何より」

隊員「ジジイと知り合いだ」
隊員「エッじゃあ本当にあれが……」
テル「執務室案内して貰えます?」

支部長「いや~~~!事前に一報頂けたらお迎えに!」
テル「お忙しい中すみません。できるだけ普段の様子を視察したいので」
「今月中に伺う旨は先月文書でお知らせしていたかと」
支部長「いや~~~~~」事務方を見る。首を振る事務方

支部長「いや~~~~~」
ネクロ「どうだ」
テル「ちょっと動線よくないですね」部屋の配置を眺めつつ
「他の部屋の案内もお願いできますか?」
支部長「ああはい!お前……!」事務方に手振り
テル「いえあなたに」
支部長「わ、私……!?」
ネクロ「お前がここの責任者で一番の高給取りだろう」
支部長「いや、そう、ですが……」
ネクロ「お前が一番の視察対象なんだよ。せいぜい張り切って仕事しろ」

隊員「支部長連れ回されてら」
隊員「あの人なんも知らねぇもんな」

テル「ここは?」
支部長「ほ、保管庫……ですね……」
ネクロ「中を検める」
テル「はい」保管物を確認するテル

ネクロ「やましいことがないなら落ち着いて構えていろ」
支部長「や、やましいなんてそんな……」
テル「保管期限切れの文書が大量に」
ネクロ「破棄の期限は守れ。場所代もタダじゃない」
支部長「は、はい勿論……!」

テル「人手が欲しいですね。2人」
ネクロ「じいさん」
老隊員「あいよぉ」
ネクロ「事務仕事得意な奴、手伝いに2人見繕ってくれないか」
老隊員「ほほ!頼られると嬉しいもんだの」

支部長「ぜ、全部検めるので……?」
テル「破棄物品に都合の悪いものを紛れ込ませておくのは常套手段なので」
支部長「そんな、まるでうちが不正をしている前提のような……」
ネクロ「そうは言ってない。ただ現行規則を守っていない以上、信頼性を失っていてもやむを得ない」
「大体本当に不正調査ならもっと大所帯で来る」
支部長「…………」
ネクロ「お前の把握が甘いのも一因だからな。立場に見合った仕事をしろ」
「できないなら他の適任者に任せる」
支部長「(前総長は視察なんて一度も来なかったのに……)」

テル「…………大丈夫そうですね」
ネクロ「ご苦労」
テル「ただ複数書類で書式が更新されていません。効率化を図って改めたものなので通達通りに即時更新して下さい」
支部長「げ、現場も慣れと言うものがあって……」
テル「その上で更新したほうがいいと言っているんです。現場上がりの判断ですのでどうぞ信頼なさって下さい」笑顔
ネクロ「従わないなら背任行為として減給」
支部長「即座に……!!」

ネクロ「この部屋は」
支部長「ええっと」分からない
テル「この箱は」
支部長「ええっと」分からない
ネクロ「この服は」上等なスーツ類
支部長「ええっとー!」

テル「替えた方がよくないですか」
ネクロ「もう少し見てからだ」


老隊員「支部長さんはね、ちょっと欲深だが優しい人だよ」

老隊員「あとちょっと適当だけどね」
ネクロ「……なら結構適任だな」
老隊員「そうだよぉ」

テル「とりあえずこのくらいですか」
ネクロ「管轄地域の見分に出る。詳しい者に同行を頼みたい」
支部長「は、はいっ」
ネクロ「本当はお前にそうであって欲しいがな」
支部長「面目ありません……!」

周辺地域を回る

支部に帰還後


テル「事務補佐官を増員します」
支部長「えっ」
テル「主に事務処理が追いついていないようです。周辺視察の結果、当支部管轄地域には現状特筆すべき脅威は見当たりませんでした。護衛部の活動が行き届いている証拠です」
「取り急ぎ適正隊員への講習を行い、来期の配置交換でも事務に強い隊員を送ります。裏方業務が整えば今より現場への負担も減り、より支部運営が円滑になるでしょう」
「書類整理が滞った組織は汚職の温床となりやすいです。草の根から自浄していきましょう」



支部長「本日はご足労いただきありがとうございました……よかったらご一緒に夕食でも……」
テル、ネクロを見る
ネクロ「それでは、お受けする」

支部長宅で食事したのち、宿へ向かう

支部長「お泊りはどちらで?」
「エッあのボロ…よ、よかったらうちへ……」
ネクロ「いや、環境視察のうちだ。心遣い感謝する」

宿へと歩く

ネクロ「……にしても、自分の机は散らかし放題でよく言う」
テル「あれは僕なりに秩序立っている状態なんです」
ネクロ「散らかす奴は皆そう言う……」
テル「総長のお宅でも散らかす方いました?」
ネクロ「ヒゲ」
テル「先々代……」
ネクロ「後でやろうと思って置いたこと自体を忘れる」
「そのうち適当に置いたその場所を新たな置き場にして延々に積み重ねる」
テル「耳が痛いです」

ネクロ「あの家は、エルリューが人が散らかしたもんを片付けることへ異様にストレスがない奴だったからどうにかなっていた部分がある」
テル「怒ったりしないんですか」
ネクロ「いい加減にしろとはよく言っていたが、さほどイラついている風でもなかった」
テル「いいなぁ……うちにも来てくれないですかね……」
ネクロ「自分の分くらい自分でやれ」
「でないとそのうち俺がアポなしで行くぞ」
テル「えっ掃除しにですか」
ネクロ「掃除しに」
テル「…………悪くないですね……」
ネクロ「拒否反応を示せよ……」
テル「確かに嫌な部分もありますが、同時に楽しみな部分もあります」
ネクロ「自室の汚さを上司に晒すことに楽しみを抱くな」
テル「だってなんか……楽しそう」
ネクロ「…………」

テル「そんなのなしに来ます?たまには」
「妹も喜ぶだろうし」
ネクロ「お前がそれまでに部屋を片付けるならな」
テル「いや~ちょっと見てみたいと思ってません?想像通りかどうか」
ネクロ「お前の評価に関わる可能性があるぞ」
テル「今更~」
ネクロ「随分ナメてんな……」
テル「えへへ……」
ネクロ「……お前さっき飲んでないよな」
テル「ないですよ」
ネクロ「随分上機嫌だな」
テル「楽しいだけです」「全部」
ネクロ「…………」

テル「さて、宿に着いたらベッド権を賭けて一局打ちますか」
ネクロ「お」
テル「先に言っておきますけどもう飲まないで下さいね」
ネクロ「一杯ならよくないか」
テル「ダメです」
ネクロ「ならお前が飲めよ……」
テル「どんな条件で??」
ネクロ「というかお前どっちなんだ。床と」
テル「勿論……運転して疲れたので勝ったらベッドですね!」
ネクロ「まぁ、そうだな」
テル「やっぱり床にします」
ネクロ「いや大人しくベッドにしろよ」
テル「総長に死に物狂いで打って欲しいので床にします」
ネクロ「流石にこれくらいで死に物狂いにはならねぇよ……」
テル「まぁ実はちゃんと寝具借りてるので床でもそんなに悪条件じゃなさそうですけどね」
ネクロ「なんだよ……」

閉じる ∧

〔 4284文字 〕


【場所】#東部
【人物】#ネクロ #テル
=====================

食事の準備をする二人

テル「手際がいいですねぇ」
ネクロ「お前は何度言ってもそれだな」
テル「最低限はやれてません?」
ネクロ「そこで満足するなよ……」

ネクロ「全く……お前とは一緒に暮らせそうにないな」
テル「残念です」
ネクロ「そこで改めようって気にはならねぇのか」
テル「総長、僕と総長は四六時中生活を共にするよりも、適度な距離を保っていた方がお互いうまくいく、ということですよ」

ネクロ「なるほど……」
「(なんだこの浮気相手に結婚持ちかけてあしらわれたような感覚は……)(経験ねぇけど……)」

ネクロ「(慕われているとは思うが、俺の為に改めようってほどじゃねぇんだよな……)」
テル「ガッカリしました?」
ネクロ「は?」

テル「こうしてご一緒している内は、誠心誠意やりますよ」
ネクロ「言い回しがな……」
テル「?」
ネクロ「なんでも……」

ネクロ「ならその適当なのどうにかしろ……」
テル「ええーこのくらいで充分でしょー」
ネクロ「これだよ……」

テル「というか総長、そこで僕が一念発起したとして、実際に一緒に暮らす気あるんですか?」
ネクロ「………」
テル「自分は冗談なのに相手には誠意を求めるってどうなんでしょう」
ネクロ「(ぐうの音も出ない)」

テル「…冗談でないならちゃんと真剣に考えますよ」
ネクロ「…………」
テル「実践するかは別ですけどね」
ネクロ「そうかよ……」


閉じる ∧

〔 673文字 〕


【場所】#道すがら
【人物】#ネクロ #テル
=====================

テル「前は吸ってたんですよね」「煙草」

ネクロ「……ああ」
テル「よく止められましたね。総長のことだから依存しそうなのに」
ネクロ「あのな……俺は何にしたって自制はできてる」
「依存ってのはそれ無しじゃままならないレベルの話だろ」
テル「そうですかね~」
「どうして止めたんですか?」

ネクロ「……別に、大して旨くもなかったし……」
「背も伸びないってんで、止めた」

テル「止めたら伸びました?」
ネクロ「多少」
テル「ならよかったですね」
ネクロ「お前は吸ったことないのか」
テル「僕は全然……父親は時々吸ってましたが……」
「寝落ちして本が燃えたら困りますし」
ネクロ「賢明だ。お前ならやりかねない」
テル「ひどいな」




テル「(――嘘だろうな、と思った)」

「(でも、追及したところでどうなるのだろう)」
「(話したくないことなら、知らないままでいいんじゃないか)」
「(知らないままでも、それが僕の知る貴方の全てなら)」

閉じる ∧

〔 490文字 〕


【場所】#西部
【人物】#ネクロ #テル
=====================

西部赤色荒野にて/夜|ネクロ,テル
西部赤色荒野にて/夜|ネクロ,テル


閉じる ∧

〔 67文字 〕


【場所】#東部
【人物】#ネクロ #テル
=====================

東部高原地帯にて/昼・霧|ネクロ,テル
東部高原地帯にて/昼・霧|ネクロ,テル


テル「総長!」
ネクロ「擦っただけだ」
テル「この霧で当ててくるとは」
ネクロ「相当やり手だな。南西」
テル「うわ……全然見えないですよ……」
ネクロ「見ろ」

閉じる ∧

〔 148文字 〕


【場所】#お屋敷
【人物】#ショウ #ネクロ #テル
=====================

ロイスの屋敷にて
掃除中のショウ


ショウ「やっぱこういう溝の汚れを一掃できると気持ちいいよな~……」

巡回ついでに屋敷を訪れ、それを眺めていたネクロ
《回想》


隊員「やつら地下通路に逃げ込んで…!」
テル「では燻りましょう。風下配置頑張って下さい」
隊員&賊「うわああああ」

《回想終わり》
ネクロ「……そうだな……」
ショウ「今日なんか煙いなお前……」

ネクロ「旧市街でちょっとな……」
ショウ「前から思ってたんだけどさ、総長ってそんなアチコチうろついてていいのか?」
「もっと安全圏で偉そうに構えてるイメージ……」

ネクロ「……俺は特例的に承認された経験の浅い青二才だから、実地経験を積む名目で許されている……」
ショウ「(青二才って自覚あったのか……)」
ネクロ「それを支えるべく各本部長の権限を強め、決裁には逐一各本部長の承認が必要になっている」
「だから俺が急にくたばっても組織運営にそこまで影響はないが、権威を増した各本部長同士はふんぞり返って連携が取りにくくなっている」
「その分のフォローもあって俺があちこち出回って……」
テル「今急にくたばる話してました?」不意に横から出てくる

テル「こっちがどれだけ貴方の動きを更にフォローしてると思っているんです?」
「現体制でどれだけ事務的管理が膨大してるか承知しています?」
「組織運営に影響ないとかよく言いますよ」
ネクロ「充分起こり得る話で……」
テル「そしたら僕全部放棄しますからそのつもりでいて下さいよ」
ネクロ「そこは引継ぎをだな……」
テル「嫌ですよ面倒な」
ネクロ「面倒とかいう話かよ……」
テル「ていうか一応部外者に安易に話す内容でしたか?」
「ただでさえ山岳アズラは北壁繋がりが多いのに……」

ショウ「俺がスパイって言いたいのか?」
テル「起こり得る話です」
ショウ「……さすが、高原アズラは血の気が多いって言うもんな」
テル「あいにく僕は森生まれなので」
ショウ「ああ、生まれより血って濃いんだな」

ネクロ「その辺にしとけ……」割って入る

ネクロ「いたずらに部族間対立を煽るのは?」
テル「…フォレス人至上主義を助長させるだけで互いの利になりません」
ネクロ「そうだ。だから少数部族は手を取り合って」
テル「フォレス人を叩くことで一致団結」
ネクロ「それでいい」
ショウ「いいのかよ……」

ネクロ「大まかな勢力図としてはそれでいい。少なくとも梢外では」
テル「共通の敵がいる方が集団はまとまりやすいんです」
「ようは楽団の指揮者ですよ」
ショウ「レジスタンスにもよく打倒フォレス人!とか掲げてるのがいるけど…」
「護衛部は推奨してんのか?」
ネクロ「俺個人としてはそれで国が回るなら問題ないと思っている」
「隊運営も同じだ」
テル「破天荒な総長憎しで一致団結」
ネクロ「結果実際に打倒されてもそれまでの実力だったというだけだ」

ショウ「お前はフォレス人なんだよな?」
ネクロ「さぁ」
ショウ「さぁって……」
ネクロ「純粋なフォレス人なんてのは北部貴族と一部中央民くらいしかいないんじゃないか」
テル「血が混ざって久しいですからね」
ネクロ「同じ人間同士がこの痩せた土地で暮らす中で、血で優劣を分けるのは不毛だ」
ショウ「…………」

テル「そろそろ時間です」
ネクロ「ロイスに帰ったと伝えてくれ」
ショウ「わかった……」


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〔 1484文字 〕


【場所】#南部
【人物】#ネクロ #テル
=====================

「目付き悪」
「チビ」
「生意気」

揶揄される少年時代のネクロ

ネクロ「(は、言ってろ)(ワンパターンな煽りしか知らない低能共)」

隣で泣いている子供の気配

ネクロ「(残念だが効果ゼロなんだよ)(なぜなら俺はもう”お前”じゃない)」

楽しそうな母子を見かける

ネクロ「(チッ……)(だからこの程度の事でグズるな……)」

パチパチと弾けるような音

「(お前とは関係ないだろ……)」

次第にバキバキと家屋が焼け落ちる音が大きくなっていき、視界の周囲が焼け焦げ始める
泣きじゃくる子供の足元に目線を落とす


「(スリッパ履いてんじゃねぇよ!)(そんなんだから間に合わなかっ……)」

激しい音と炎に意識が飲まれる



ネクロ「」真っ青になり汗だくで目覚める

目を見開いたまま周囲を見回す
出先のモーテルの個室で独り寝ている


ネクロ「……………」
肩で息をしながらしばし状況を確認する

ネクロ「……(焦げ臭い……)」

周囲を確認しようとベランダに出る
隣のベランダに既にテルがいる


テル「ああ、火事みたいです……」ネクロに向き直り固まる
ネクロ「……」炎と煙の方角を見る

テル「……」ネクロを凝視している
ネクロ「消火は始まってるのか……?」
テル「ええ。ちょっと下がってくれます?」
ネクロ「……は?」テルを見る

隣のベランダから移ってこようとするテル

ネクロ「なっ、バカ止めとけ暗いし3階だぞ……!」
「自分の運動神経を過信するな!大体移って来たら……」
テル「総長こそ見くびり過ぎです、よっ」

ネクロ「う」
テル「わ」

半ば激突してネクロのベランダに二人で倒れ込む

テル「大丈夫です?」ネクロに馬乗りになりながら
ネクロ「話を聞け……」

テル「移って来たら、なんですか?」
ネクロ「カギ持ってねぇだろ……またベランダから戻らないとお前が部屋に入れない……」
テル「ああ……まあマスターキーもありますし……」
「また飛び移ってもいいですし……」
ネクロ「何なんだよ……用があるなら先に言え……」

テル「あー……」
「火事で不安なので、一緒の部屋で寝させて下さい」
ネクロ「…………」

ネクロ「……んな話初耳だが……」
テル「僕が総長に全てを開示してると思います?」降りる
ネクロ「……思わない……が、お前が火事で動揺してるとこなんか見た事ねぇぞ……」
テル「そうですか」構わず部屋に入る

テル「あ、布団がないんだった」シングルルーム
ネクロ「たりめぇだろ……」
テル「まあいいや、ソファ使うんで、総長上着貸して下さい」
ネクロ「………」「受付行って……鍵借りて自分の部屋に戻る……」
テル「喉乾いたな。総長も水飲みましょう」デカンタからグラスに水を注ぐ
ネクロ「だから話を聞けよ……」
テル「ほら、どうぞ」グラスを差し出す


ネクロ「………」困惑しつつそれを受け取り、飲む

テル「…………」その様子を伺う
「……落ち着きました?」
ネクロ「…………」
「……落ち着いてる…」

テル「そうですか」微笑む

それぞれ床につく

テル「じゃ、おやすみなさい」
ネクロ「…………」
「個室料金払ってまでソファで……」納得いかない様子
テル「じゃあベッドに寝ていいんですか?」
ネクロ「…………」目を見開く
テル「冗談ですよ。野営より100倍いいです」
「僕の事はお気になさらず。総長の気配があるだけで安心しますから」
ネクロ「…………」

再び眠りにつく





ネクロ「……(眠れた)」スッキリと目覚める

ソファに目をやるとテルがまだ寝息を立てている


ネクロ「…………」何かを思案しながらベッドを出る



テル「……ん」目覚める
「(コーヒーの匂い……)」

見回すとネクロがカップを片手にこちらを見ている

ネクロ「ホラ」鍵を投げる
テル「あっ」受け取る

テル「取ってきてくれたんですか」
ネクロ「コーヒーは」もう一つのカップを示す
テル「いただきます」
「よく眠れましたか?」貰う
ネクロ「寝た」渡す
テル「よかったです」コーヒーを手に寝ぐせで笑顔

ネクロ「………」面白いんだか嬉しいんだか気恥ずかしいんだかな顔

テル「変な顔」笑顔
ネクロ「鏡見ろよ」そむける

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〔 1832文字 〕


【場所】#護衛部東本部
【人物】#ディグ #テル
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俺の名前はシェイマス・クローヴ

護衛部東本部の倉庫番だ。
人前に出るのが苦手で口下手で、いつも薄暗い倉庫で過ごしているため
ついたあだ名は”もぐら(ディグ)”。
最初はあまり好きじゃなかったこのあだ名も

テル「ディグ、おはよう。早いな」

今では大好きだ。


ディグ「テルさんこそ早過ぎです」
テル「朝一で纏めたい資料があったからさ~」「そうだ、これ」
ディグ「カイロ?」
テル「最近朝冷えるから。倉庫は特に寒いだろ」「風邪に気を付けてな」

ディグ「(テルさん……優しい……!)」

テルさん……キフロ参謀は、まだまだ疎まれがちな2世移民でありながら若くして輜重から護衛部参謀に抜擢された凄い人。
物凄く色んな言語が話せるし知識も豊富だし仕事も早い。
(ちなみに俺は、ばあちゃんが山岳系アズラ。)

不良息子だと評判だったネクロ総長が隊を回せているのも一重にテルさんあってのことだと、輜重兵は皆鼻高々だ。
何より、俺みたいなコネも学歴もない奴を評価してくれた……。

《回想》2年前

テル「……シェイマス・クローヴ。貴方、凄く几帳面ですね」
ディグ「そ、そうですか?」
テル「うん。検品箇所も確実だしリストも見易いし字も読み易い。独自に追加されたチェック項目も分かりやすいし理に適っている……」

ディグ「お、俺……心配性で……いつも余計に確認しちゃうんです……悪い癖で……」
テル「いや、悪くないよ。立派な才能だ。誰にでも出来ることじゃない」
ディグ「…………」赤らむ
テル「あ、すみませんつい敬語が外れちゃって」
ディグ「い、いえ全然!むむむしろ嬉しいです!」
テル「そう?ならいっかな。ところでちょっと、新しい仕事してみない?」
ディグ「新しい仕事……?」

東本部内の大倉庫に案内される

ディグ「倉庫……」
テル「そう。ここがお前の城」
ディグ「城……」
テル「本部への出入り物品の検品、管理を頼みたい」
「地味だけど物凄く重要な仕事だ。ここにある様々な品は護衛部の貴重な財産。これを正確に管理できなくては隊運営はままならない。屋台骨を支える仕事だと言っていい」
「ここがおろそかだと財産の流出や横領に繋がる。腐敗を抑止する意味でも信頼の置ける人間にしか頼めない」

ディグ「……俺で、いいんでしょうか……」
テル「うん。大丈夫。この目に狂いはないよ」

《回想終わり》

ディグ「はあ……)」溜息
「(憧れのテルさんと本部で仕事できて嬉しい……)」
「(いつも忙しそうで中々ゆっくり話す機会がないんだけど……)」

テル「あ、ディグ」
ディグ「テルさん!」
テル「今日、メシどう?」
ディグ「はい!」

大衆食堂《百舌の巣》にて

テル「は~~~今日も酷かった…………」
ディグ「テルさんて、いつも総長に振り回されて嫌気がさしてこないんすか」
テル「んーまぁ、俺も結局好きでやってるからね…惚れた弱みっていうのかなぁ……」
ディグ「えっ……!?」
テル「でも限度はあるよね~」
ディグ「……あ、あの、急に変なこと聞いて申し訳ないんすけど……」
テル「ん?なに?」
ディグ「テルさんて……総長のこと……ど、どう思ってるんすか……?」
テル「どう?」
ディグ「その、す、好きとか嫌い……とか……」
テル「ああ、そりゃまあ、好きだよ」
ディグ「そうすか……まあ、そうすよね……」
テル「うん」「世界で、一番、誰よりも」

ディグ「」
テル「でないととっくに辞表叩きつけてるって~」
ディグ「えっ、は、はあ……」
テル「あー……、一応言っておくけど、付き合いたいとかじゃないからね?」
ディグ「そ、そうなんすか……?」
テル「そうだよ」
ディグ「でも誰より好き、なんすよね……」
テル「うん」
ディグ「妹さんよりも……?」
テル「……うん」
ディグ「……」
テル「これ聞いたら総長怒るだろうからオフレコでね」
ディグ「エッハイもちろん……」

テル「うーん……何て言うかさ、俺の世界にはもう、必要なんだよね。あの人が」
「それは別に恋人とか家族とかでなくてもよくて、ただ今みたいに、一緒に仕事して顔合わしてっていう、それだけでいい。今まで通りに」
ディグ「……」
テル「あの人に着いていくって決めた時から、もうずっと惚れてるんだよね、多分」
「だからとにかく傍に居たいっていうか……ごめん俺もあんまり自分で上手く説明できないな」
ディグ「いや……」「(同じだ……)」

ディグ「もし、総長が護衛部からいなくなったらどうされます?」
テル「…………」「それは、」
ディグ「広い意味で」
テル「……その時は、俺もいないよ」
ディグ「…………」「……分かりました。答えてくれてありがとうっす……」
テル「……」
ディグ「俺、テルさんに憧れてて……いつも、何かお役に立てたらいいなって……」
「だから……よく分かってしまったっす……」
テル「……」

ディグ「でも、それはこれからも変わらないっす……」
テル「ディグ……」
ディグ「あれ、なんか……へんだな……」泣き笑いの表情
テル「……」
ディグ「俺……情けないっすね……」
テル「そんなことない」「……ありがとう……」「これからも頼りにしてるよ」
ディグ「はい……」

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〔 2232文字 〕


【場所】#護衛部東本部
【人物】#ネクロ #テル
=====================

護衛部東本部敷地

テル「(定期視察完了…)(総長は…)」

テル「すみません学長、総長はどちらに…」
学長「ネクロ君なら外で見かけたよ」

テル「(人が仕事してる間にどこほっつき歩いて…)」
辺りを見回しながら廊下を歩くテル

テル「(…いた)」


ネクロ「せいぜい束になってかかってこい雑魚共」

子供「うわ大人げねぇー!」
子供「チビの大人のくせに!」
ネクロ「口ばっかじゃなく足動かせ」

子供達とサッカーに興じているネクロ
手ぬぐいを頭に巻いている

凄いトリックでゴールを決める



子供「コドモ相手に本気出すなよ!」
子供「ズルイー!」
ネクロ「手加減して欲しいのか?偉そうな事言ってた割に甘えただな」
子供「うるせー!」
子供「囲め囲め!」

その様子を眺めるテル
テルに気付くネクロ

ネクロ「…じゃ、今日はここまで」
子供「えーーーー!」
ネクロ「悔しかったら練習しとけ。ついでに口の利き方も勉強しとけよ」


テルの元に来るネクロ
手ぬぐいを外す


テル「…総長って子供がお好きですよね」
ネクロ「…別に」

テル「僕は隙間時間があっても一緒に遊ぼうとは思わないですもん」
ネクロ「………」

ネクロ「お前だって一局打ってやりゃいい」
テル「僕死んでも接待しませんよ」
ネクロ「それでいいんだよ。大人に本気出されると子供は嬉しい」


テル「…」
ネクロ「お前だって格上に適当に打たれたらムカつくだろ」
テル「そうですね…」

ネクロ「難しい事じゃない。時々真剣に向き合ってくれる大人が周りにいるだけで随分違う。それだけだ」

テル「…そうですね…」
「確かに…僕もそうだったかも…」

ネクロ「外でボール追い回してる奴らだけじゃないからな」
「たまに打ちに来てボコボコにしてやれ」


テル「それで大人げないって指さされるんですね」
ネクロ「そうだ。楽しそうだろ」
テル「ははっ」

テル「…でもそういう相手が、急に来なくなったら、って構えてしまったりもしません…?」

ネクロ「…だから大勢で関わるんだよ」
「一人いなくなっても大したことないように」

テル「…」
「僕、まだまだ子供ですね…」


ネクロ「当然だろ童貞なんだし」
テル「またそれですか。それしかないんですか」
「茶化さないで下さいよ真剣に言ってるのに…」

ネクロ「…悪いな、俺周りの大人に童貞がいた事なかったから…」
テル「な…なるほど…」

テル「そう言われると…確かにそれも一つの視点になり得ますね…」
「総長なりに真剣だったんですね…ただ煽られてるのかと思ってましたすみません…」

ネクロ「分かったらとっとと卒業してこいよ」
テル「それとこれとは別の話なんですよ」
ネクロ「そんな大したことじゃねぇから」
テル「なら大人の基準足り得なくないです?」


ネクロ「そう来るか…」
テル「譲りませんよ…」

テル「大体総長そういう話題が好きだからそっちに持っていきたいだけですよね?」
ネクロ「何だ人を猥談好きみたいに」

テル「その通りですよね」
ネクロ「まぁ…」
テル「認めてしまいましたか…」

ネクロ「大人だからな…」
テル「流石ですね…」
ネクロ「せいぜい見倣えよ…」
テル「検討します…」

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〔 1422文字 〕