【保管庫閲覧規則】
1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
《編纂室連絡窓口》
【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ
【人物】ネクロ テル ロイス
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ネクロ「普通にあるが、抑制出来ない程ではない」
ロイス「対女性という意味では正直無い」
テル「そうなんですか」
ネクロ「全く?」
ロイス「全く。特に不便もないけど」
ネクロ「そうか…………」
ネクロ「お前はあるのか?」
テル「……ありますよ」
ロイス「あるんだ」
ネクロ「ならとっとと」
テル「ハイハイハイ店は嫌です」
ロイス「あるなら色々と大変な年頃じゃない?」
テル「いやー……まぁ……」
ネクロ「素振りがないがな」
テル「総長は人より旺盛なんですよ……」
ロイス「それはそうだね」
ネクロ「何基準で言っている?」
ロイス「性欲解消の為なら不特定多数と金銭授受により関係を持てるところ?」
テル「おっしゃる通りかと」
ネクロ「………………」
テル「僕はそこまでではないという話です」
ネクロ「女に勃つことは勃つ?」
ロイス「君その質問好きだよね~!」
テル「ロイスさんに普段そんな暴言を……」
ネクロ「どこがだよ……結局そこが真理だろ」
「お前は勃たないってことだろ」
ロイス「まぁそう」
テル「プライバシーに土足で踏み入ってると思うんですけどね……」
ネクロ「今更だ」「で」
テル「た……」
ネクロ「……」
テル「……」「いや無理です何ですかこれ何で上司の前でそんなこと宣言しなきゃならないんですか」
ネクロ「大したこと訊いてねぇだろ……」
ロイス「それは人によるんだよねぇ」
「好きな女性のタイプというのがある時点で察しておこうよ」
ネクロ「お前の好きな女のタイプは」
ロイス「おおらかで穏やかな人かな」
ネクロ「……」
ロイス「テルさんは性欲あるって言ってるんだからそれで充分でしょ」
ネクロ「俺の前で言い淀むのが納得いかない」
テル「それが横暴ってやつです……」
「気になる気になる言われると余計言いにくくなるものですよ」
ロイス「確かにね」
ネクロ「俺のせいかよ」
テル「総長とは価値観が違うんですよ。僕はあんまりオープンにしたくはないんです」
ネクロ「カオストークだろが……」
ロイス「それもそうだね」
テル「言い方ですよ。たつとかたたないとか直接的過ぎなんです。性的対象は異性かどうかと訊けば充分でしょうが」
ネクロ「……性的対象は異性かどうか」
テル「異性です」「はいおしまいです」
ネクロ「……」
テル「何が不満なんです」
ロイス「君はテルさんとオープンで明け透けな下ネタトークがしたかったんでしょ?」
ネクロ「……」
テル「ご期待に添えず申し訳ありません」
ロイス「その辺は向き不向きがあるからね」
ネクロ「……」
テル「大体何で僕の性的嗜好にそんな関心があるんです……」
ネクロ「お前がその年齢なのに童貞だから」
テル「偏見!」
ネクロ「お前の村なら結婚してる歳だって言ってただろ」
テル「今は村暮らしではないので」
ロイス「環境って大事だよねぇ」
「君だってその環境で育たなかったら今の価値観は持ち得ていなかったかもよ?」
ネクロ「…………」
テル「そういうことですよ」
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漫画『アフターゴッド』で
「人を愛することと性欲がどう結び付くのか分からない」
という台詞があり……………………
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テル「ですね」
ネクロ「何でだよ……」
テル「だって別に、必ずしも必要ないでしょう?性欲処理自体は一人でも出来ますし」
ネクロ「それが生き物の本能だろ……」
テル「つまり繁殖ってことですよね。なら同性愛はどうなります?師弟愛、兄弟愛は?」
ネクロ「…………」
テル「愛イコール性欲ではないでしょう」
ネクロ「……確かに……」
テル「だから僕は貴方を本当に愛していますけど、そこから性衝動には繋がらないんですよ」
ネクロ「…………」
テル「理解して頂けます?」
ネクロ「…………それ自体は……」
テル「何が不服なんです?」
ネクロ「確かに結び付かない愛もあるが、結び付く愛もあるだろう……」
テル「…………」
ネクロ「そこは理解できるのか?」
テル「……………………正直、愛はなくても生殖行動はとれると思います」
ネクロ「……………………」
テル「総長はとれないですか?」
ネクロ「……………………」
テル「だから僕の中では、その行為よりも、感覚の方が大切なんです」
「相手を愛しく想う、感覚」
ネクロ「………………」
テル「総長は、誰かを愛しいと感じた時、即ヤりたい、ってなるんですか?」
ネクロ「……………………(考えている)」
テル「毎回そうなら相当ですよ…………」
ネクロ「そういう訳では……」
テル「なら良かったです」
ネクロ「…………」
ネクロ「つまりお前は好き合った心底好みの女を前にしても、ヤりたくはならない、と……」
テル「………………そう、なりますか…………」
「そりゃ流れによってそうなる可能性も否定できませんが、そんな好物を前にした犬みたいに無我で襲いかかります?そこまで理性ってなくなります?」
ネクロ「………………」
ロイス「この話題で食い違う君達見てるの面白いよね」
ネクロ「何呑気に紅茶しばいてやがる……」
テル「良い香りですね」
ロイス「ね、ベルガモット」
ロイス「さっきの話だけど、私はテルさん派だな」
テル「わーい」
ネクロ「…………」
ロイス「人を愛するのは理性であって欲しい。本能的に惹かれたんだとしてもね」
ネクロ「愛と性欲は」
ロイス「イコールではない。性欲と切り離しても愛することはできる」
ネクロ「…………」
ロイス「君はさ、性行為を愛の証明と捉えているんだよね」
ネクロ「…………」
ロイス「それはそれでとてもロマンチックな事だと思うんだよ。うん。君はロマンチストだしね」
ネクロ「馬鹿にしてんのか……」
ロイス「してないよ。君の長所だと思ってる。素敵なとこだよ本当に」
ネクロ「…………」
ロイス「確かに無防備な姿を晒して相手を受け入れる行為は、相手への信頼がないと成り立たない。その信頼はイコール愛とは言えるかもしれない」
ネクロ「………………」
ロイス「けれど、そういった相手を蹂躙する行いには、愛は関係するのだろうか。それは征服や暴力に似たものではないだろうか」
ネクロ「……そういうケースがあるのは否定しない。ただ、全てが征服欲によるものじゃない。場合によっては奉仕でもある。いずれにせよ健全な行為であればそれは相互関係によるもので、一方的なものは全て不健全だ」
ロイス「君の行為は健全だと?」
ネクロ「対価によって合意を得た健全な行為だ」
ロイス「お互い了承の上に興じる一夜の夢?」
ネクロ「そうだな」
ロイス「その愛は朝には凪いでいる?」
ネクロ「…………」
ロイス「舞台のようなものだよね。役者達が魂を込めて踏む演目」
「君はそういった舞台の熱心な演者なんじゃないかな。つまり趣味」
テル「趣味……」
ネクロ「…………」
ロイス「愛のある二人の間の一夜、というお題目に執心している。けれど、結局それは、二人で創り出した創作なんだよね」
ネクロ「…………」
ロイス「君の長年探している真実の愛っていうのは、テルさんが持ってるものだよきっと」
ネクロ「は?」
テル「…………」
ロイス「少年時代に抱く、穢れのない永遠への憧憬。そういった、清らかなもの。何も対価を要さないもの」
ネクロ「…………」
テル「…………」
ロイス「それは私と君との間にも多少はあるかもしれないね?君は私と性交渉がなくても家に訪ねて来てくれるでしょう?」
ネクロ「そりゃ…………」
ロイス「そういうことだよ。テルさんが言っているのは」
ネクロ「…………」
テル「…………」
ネクロ「なんでお前まで黙る」
テル「ロイスさんの方が納得させるの上手いなーって感心して……」
ネクロ「…………」
テル「探してたんですか?真実の愛」
ネクロ「知るか」
テル「僕はいつまでも貴方を愛していますよ」
ネクロ「…………」
テル「貴方がどんなバカやっても愛しています」
ネクロ「………………」
テル「貴方がいないと生きていけませんし」
ネクロ「……………………」
テル「僕の人生は貴方に捧げています」
ネクロ「…………………………」
テル「…………」「ムラムラしてきました?」
ネクロ「バ………………!」
ロイス「………………まんざらでもないんだよね~」
ネクロ「違……」
テル「そうなんですねぇ……」
ロイス「彼はやっぱり心底結び付いているんだねぇ」
テル「抱かれたくなっちゃうんでしょうか……」
ネクロ「だから……!」
ロイス「多分ねぇ~そこに幸福を得ちゃうんだろうねぇ~」
ネクロ「なんで俺がそっち側前提で……!」
テル「じゃあ僕を抱きたくなりました?」
ネクロ「……、……、」
ロイス「遊び過ぎなんだよ君は…………」
テル「困ったものですよねぇ……」
「こっちの身にもなって欲しいですよ……」
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