【保管庫閲覧規則】


1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。


※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。


《編纂室連絡窓口》

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【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ

No.34 (ランダム表示)


【場所】#東部
【人物】#ネクロ #テル
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テルがモーテルに戻りドアを開けると着衣が乱れ汗だくのネクロがいる
奥に苦悶の表情の女性が横たわっている


テル「ごっ」
「めんなさい」ドア閉め
ネクロ「馬鹿、早とちりだ。入れ」止め
テル「や、僕だって察することくらい……」
ネクロ「違う。産気づいてる。さっき破水した」
テル「は!?総長の子ですか!?」
ネクロ「俺は絶対に生でしない!」
「んなことじゃなく手伝え」
「モーテルの前に倒れ込んだのを引き上げた」
「訳アリだ、追っ手がいるらしい。医者に見せたいがこのまま表に出るのは危険だ」
女「い~~~~~~」

テル「……対応できる人を連れて来ては?」
ネクロ「それがいい。お前ここに居ろ。俺は裏通りの娼館に行く」
「あそこのババアならどうにか出来るかもしれない」身なりを整えつつ
テル「えっ僕が残るんですか!?」
ネクロ「俺が行った方が早い」
テル「残ってどうするんです!?」
ネクロ「励ませ」
テル「」

ネクロ「頼んだぞ」
「親父!バイクを借して欲しい!」
テル「あっ、ちょっ、」
女「いああああ」
テル「ヒッ……」



バイクで娼館前に乗り付けるネクロ

娼館の主人「お客さんまだ開いてな……」
ネクロ「ババアいるか」
おかみ「失礼な野郎は客じゃないよ!」奥から出てくる
ネクロ「昔美人、生きてたか。助けて欲しい」
おかみ「今も美人だろうがよ」
ネクロ「そうだなよく見たらまだまだ美人だ」
「モーテルで産気づいた女を匿ってる。破水してて動かせそうにない」
「臨月よりまだ少し早そうに見える」
「あんた診れないか」
おかみ「経産婦かい?」
ネクロ「初産だ」
おかみ「あんた、店頼んだよ」

ネクロと2ケツでモーテルに向かう

おかみ「全く久々に顔見たと思ったら……」
ネクロ「元気そうでよかった」
おかみ「あたしゃまだまだ現役だよ」
「それで?お前の子なのかい」
ネクロ「違う」

部屋に戻る

ネクロ「テル」
テル「そうちょおおお」汗だくボロボロ
女「いああああああああ」
ネクロ「どうだった」
テル「どうもこうも無いですよずっと役立たずって言われるし叩かれるし引っ張られるし」
「握力超強いんですけどこの人!」
「アザがほら!」
ネクロ「確かにな。下がってろ」
テル「ううう……」
おかみ「坊主」
ネクロ「布はここに」
「お前親父に湯を貰ってこい。出がけに頼んである」
テル「ふぁい……」

おかみ「大丈夫だよ。あたしゃ7人産んで9人取り上げてる」
「握り紐作ってやろう」
「お前は体勢支えてやんな」
ネクロ「分かった」
女「いううううううう」
テル「お湯です……」
おかみ「ここ置いて」
「あんたはこっちに立たなくていいよ!旦那じゃないんだろ!」
テル「へぁっ」
「すみません!」
ネクロ「湯が冷える前に替えを持ってこい」
テル「りょ、了解です……」

女「××××……××……」
ネクロ「何て言ってる」
テル「《お母さん》《怖い》と……西の山岳訛りが強いようです」
おかみ「……ここまで大変だったね。頼られたからにゃ手は尽くすよ」
テル「ていうか総長会話できないのによく事情が分かりましたね」
ネクロ「「タスケテ」だけ言えりゃ充分だろ」

おかみ「赤ん坊はだいぶ降りてきてる。もう少しの辛抱だよ」
ネクロ「どれくらいかかる」
おかみ「あ~……早くて2時間ってとこかね」
テル「ここから2時間!?」
おかみ「うるさいよ!通訳は助かるが静かにしとくれ!」
女「うああああああ」
テル「総長……僕支部に予定変更の連絡してきます……」
ネクロ「頼んだ」



諸々終わった後
疲れ果てコーヒー片手に座り込む二人


テル「……総長、なんで慣れてるんです……?」
ネクロ「……娼館に入り浸ってるとな」
テル「出産知識が得られると……!?」
ネクロ「隣り合わせだから知る機会もある」
「立ち会ったのは流石に初めてだけどな……」

テル「……とにかく……無事産まれてよかったです……」
ネクロ「…………」テルをしみじみ見る
テル「……?」ネクロを見る

ネクロ「そうだな……」顔をそむける



女「ア、アリガトウ……」
ネクロ「いや。礼はこのバ…美人おかみに」
おかみ「あんたも赤ん坊も綺麗な顔してるね!」

ネクロ「ただこっからの処遇が問題だな」
テル「身請け人がいないんですよね」
「正規ルートなら役所に引き渡しです」
女「…………」
テル「とりあえず事情聴取ですかね」
おかみ「どれだけ大変だったか見たろ。少し休ませた後にしてくれ」
ネクロ「勿論。テル」訳してくれの目くばせ
テル頷く
ネクロ「俺達は護衛部の隊員だ」
「できる限り貴女の力になりたい。貴女が安全にその子と暮らせるように」
「その為にこれまで何があったのかを聞かせて欲しい」
「護衛部は人を助ける為に存在している。決して罰する為じゃない」
「どうか信用して欲しい」
「貴女の子が無事産まれたことに祝福を」

女「…………」
テル「…………」
おかみ「……」

おかみをバイクで送る

ネクロ「今日は本当に助かった」
おかみ「なぁに。あたしの手にかかりゃこんなもんよ」
ネクロ「頼もしいことで……」
おかみ「お前さんも口が上手いね。こりゃ悪い男になる訳だ」
ネクロ「どこが悪いんだ良客だろうが」
おかみ「リップサービスは程々にしときなよ」
ネクロ「……嘘を言ったつもりはない」
ふっと笑うおかみ

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