【保管庫閲覧規則】


1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。


※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。


《編纂室連絡窓口》

ご連絡・ご感想等は以下をご利用ください。

ご連絡・ご感想等(匿名)
◊閲覧許可申請等◊ albafores.archive◆gmail.com(◆→@)
【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ

白樹暦827年1件]


【場所】#東部
【人物】#エルリュー #ガスト #ネクロ #カスタ
=====================

自宅にて
エルリューの傷の手当てをしているガスト


ガスト「はい、処置終わり」
エルリュー「……悪ぃな……」
ガスト「……」
エルリュー「……」
ガスト「お前」
エルリュー「俺は……ちゃんと別れたつもりだった」
ガスト「……」
エルリュー「話し合ったよ。一晩中。カギも返したし」
ガスト「……」
エルリュー「誓って二股はかけてねぇ」
ガスト「……うん。そうだな」
「でも彼女は納得してなかった、ってことだよな」
エルリュー「……納得したかどうかなんて確かめようないだろ」
ガスト「うん……」
エルリュー「その場じゃ、わかったもういい、おしまいだねって言われて追い出されて、それで終わってたんだよ」
「そしたらもう関係終了って思っていいんじゃねぇの?ダメなのかよ」
ガスト「うん……まぁその理屈は通ってるよ……」
エルリュー「だろ?」「っテテ……」

ガスト「でも別々の人間にフォークで刺されたりヒールで殴られたり今日みたいに張り手に加え石の入った鞄で殴られるってなると、やっぱお前にも悪いとこがあるんだと思う訳で……」
エルリュー「知らねえよ……」
ガスト「……ほんとに心当たりないのか?」
エルリュー「ねえよ……結婚詐欺した訳でも貢がせた訳でもねえし……」
ガスト「うん……」
「ちなみに新しい彼女ができたのはいつなんだ?前の彼女と別れてからどのくらい?」
エルリュー「……半日?」
ガスト「……」
エルリュー「元々他に気になる子見つけたから別れた訳だから、そんなに間はあかねぇよ」
ガスト「……」「その……新しい子にはまだ手を出してなかったんだな?」
エルリュー「当たり前だろ」
ガスト「……でも速攻で付き合えるんだな……」
エルリュー「感触よかったから、いけると思って、実際いけた」
ガスト「……ようは、乗り換えだな……?」
エルリュー「でもちゃんとケジメつけてから次いってんだぞ」
ガスト「うん……うん……」

ガスト「……ちなみにな?別れ話するまでは前の彼女とはどんな感じだったんだ?倦怠期みたいな感じだったのか?」
エルリュー「俺はちょっと飽きてたけど、向こうはまだノリノリだったな」
ガスト「……うん……」「相手は、別れの気配を感じてなかったんだな……」
エルリュー「俺は直前までラブラブしてた訳じゃねえぞ?態度が違うの自分でも分かってたし……」
ガスト「うん……」
エルリュー「それにちゃんと時間かけて話して相手がいいって言うまで別れたことにしなかったんだぞ」
ガスト「うん……それはな、それは……いい。正しいと思う……」
エルリュー「だろ?」
ガスト「ただな、あー……相手はな、おそらくだが、ちょっと二人の関係が落ち着いてきただけで、まさか別れることになるとは思ってなかった、っていう可能性が高いと思うぞ」
エルリュー「……」
ガスト「お前の今後の改善点は、別れの期間をもうちょっと長くとることだな」
エルリュー「……長く」
ガスト「そう、長く……。今熱を上げてる相手に急に思ってもない話をふられても混乱が先に立って冷静に受け止めるのに時間がかかる」
「だろ?」
エルリュー「……」
ガスト「んでようやく冷静になった頃にお前に新しい彼女が出来てると、思わず勘違いしても仕方ないんじゃないか」
エルリュー「……」
ガスト「まぁ半日で次にいかれたら勘違いでもないと思うが……」
エルリュー「……その期間がどれくらいあればいいんだよ。そんなんケースバイケースでわかんねえだろ」
ガスト「そうだな。その通りだ……」

エルリュー「んじゃどうすんだよ」
ガスト「……多分な?多分、ひと月。」
エルリュー「ひと月……」
ガスト「くらい開ければその間向こうが復縁迫ってきても、今回みたいに修羅場になることはないんじゃないかと思うぞ」
エルリュー「長ぇよ……」
ガスト「……まぁ付き合って日が浅い相手ならそこまで間をあける必要ないと思うが……」
「ちなみに今回はどのくらい付き合ってたんだ?」
エルリュー「……二ヶ月くらい」
ガスト「……うん」「んじゃ……まぁ……やっぱ一月くらいだな」
エルリュー「マジかよ……」
ガスト「とりあえず、半日は早すぎるな」
エルリュー「……」
ガスト「禊の期間だと思って、次からは間を開ける。いいな。」
エルリュー「……」
ガスト「エル。」

エルリュー「……分かったよ……」
ガスト「うん……」
エルリュー「でも俺だって……別に付き合い始めはすげえ好きで、それなのに相手に本命いたりだとかすっと腹立ったりすっけど……」
「刺したり殴ったりする気は起きねぇよ……」
ガスト「そうだな……うん……それはそうだ……」
エルリュー「なのに俺だけ悪いのかよ……」
ガスト「いや、相手も当然悪いぞ。どんな理由があっても手を出した方が本来裁かれる」
「ただ、情状酌量ってのもある……」
エルリュー「……」

ガスト「お前はな、俺から見ると凄くいい奴だよ。口は悪いけど気が利くし家事もやってくれるし料理は上手いし……」
「ほんとな……なんでお前がこんな目に、って思っちゃいたんだが……」
エルリュー「……」
ガスト「こないだお前が友達と歩いてるとこ見かけた時に、思ったことがある」
エルリュー「……」
ガスト「そん時は確かストレートの栗毛の子と付き合ってた頃だと思うんだが……」
エルリュー「アリア」
ガスト「そう……そのメンバーの中にその子はいなくて、ブルネットのショートの子が一緒にいて」
エルリュー「ミーシア」
ガスト「うん……」「その子との雰囲気が、なんかもうカップルみたいな感じでな?」
エルリュー「ミーシアとは付き合ってねぇよ」
ガスト「うん……でもな?アイス食ってて口のまわりに付いたクリームとってやって食うのは、俺的には友達関係じゃないぞ」
エルリュー「どんだけじっと見てんだよ……きめぇ……」
ガスト「いやたまたまそういう場面に遭遇したんだよ!」
エルリュー「別にそんくらい普通にやるぞ。オッサン世代はやんねえのかもしんねえけど」
ガスト「うん……まぁ……その、世代ってのも確かにあるとは思うんだがな……」
「ただその後段差でエスコートしたり道路側に立って泥はね受けてやったりすんのは、友達相手にやり過ぎじゃないか?」
エルリュー「やっぱりじっと見てんじゃねえか……」
ガスト「お前あれ女友達全員にやってるのか?それともあの子を狙ってたのか?」
エルリュー「そういう時に近くにたまたま居たらやるだけで、わざわざ駆け回ってやったりはしねえよ。あとミーシアはそこまでタイプじゃないから狙ってねぇ」
ガスト「(狙ってない相手にあの立ち回りなのか……狙ってたらどうなるんだ……)」

ガスト「お前は……あれはどういうつもりでやってるんだ……?」
エルリュー「別に、特に意味はねえよ。そうしたいと思ってやってるだけで」
ガスト「……」
エルリュー「クリームは……まぁちょっとやり過ぎたかもしんねえけど、相手もウケてたしそういう空気だったからノリでやっただけで」
「他のは見過ごすのは男としてどうかと思ってやってるだけだ」
ガスト「仲間内から……からかわれたりはしないのか?紳士気取りとか……」
エルリュー「散々言われっけど気にしてねぇ。むしろ俺のやり方が女受けいいとわかってマネする連中が増えた」
ガスト「なるほどな……」
「うん……まぁなんとなく分かった……」
エルリュー「……」
「やっぱり俺が悪いのかよ」
ガスト「うん。そうだな。」

エルリュー「……」
ガスト「紳士的な振る舞いは素晴らしいが程々に。彼女以外に粉かけてると思われるような行動は慎む。」
エルリュー「女に優しくしちゃいけねぇのかよ……」
ガスト「それ自体は悪いことじゃない。問題は加減だ。お前は何気なくやってるのかもしれないが無駄な勘違いを産んでいる。今回みたいにな?」
エルリュー「……」
ガスト「お前が女の子が大好きで分け隔てなく優しくしたい気持ちは素晴らしいと思う」
エルリュー「……」
ガスト「今回の反省をいかして、次からは上手くやれるといいな」
エルリュー「……うん……上手く別れるようにする……」
ガスト「……」「……べつに、別れなくてもいいんだぞ?」
エルリュー「……そん時がきたら、気を付ける」
ガスト「うん」
エルリュー「むやみやたらに女をエスコートしない」
ガスト「そう」
エルリュー「……」
「モテないオッサンになんでこんなに言われなきゃなんねんだ……」
ガスト「お前ほどモテなくても元カノに恨まれて刺されたりはしてないからな!」
エルリュー「そもそも元カノたいしていねえじゃん……」
ガスト「俺はお前を心配してだな……」
エルリュー「わぁーってるよ!もう夕飯にすんぞ!」
「お前ら手伝えよ!」

ネクロ「やっと終わったか」
カスタ「今回は長かったね」

閉じる ∧

〔 3724文字 〕