【保管庫閲覧規則】
1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
《編纂室連絡窓口》
【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ
【場所】#東部
【人物】#ネクロ #テル
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東部郊外
ガタガタした道を車でいくネクロとテル
テル運転
ネクロ「酔う…………」
テル「こんな悪路でお行儀よく運転できるわけないでしょう」
ネクロ「普段から大概……」
テル「責めるなら昨夜深酒し過ぎたご自分を責めて下さいね」
ネクロ「あれはお前が……調子乗るせいで……」
テル「チェスで負けたら1グラスなんて勝手にやりだした貴方が悪いでしょう」
「どうせ負けるんだから……」
ネクロ「うるせ……そういう気分だったんだよ……」
テル「全く、支部視察に行くのに同行者が二日酔いで潰れてる僕の身にもなって下さいよ」
ネクロ「お前も面白がって打ってただろが……」
テル「はい。どんどん勝率下がるのに続ける姿が面白かったです」
ネクロ「連帯責任……」
テル「それでいいので町に着くまで大人しくしてて下さいね」
◆
テル「着きましたよ総長」
テル「総長?」
ネクロ「(助手席で寝ている)」
テル「…………」
「(今日のスケジュール)(宿確保、支部視察、主要施設挨拶、周辺巡回…)」
とろとろ車を走らせる
テル「すみませーん、宿探してるんですが」
町人「2軒あるよ」
テル「安い方で」
安宿の前で
テル「(ボロ~~~~…)」
テル「(宿の店主らしきおじさんに)1部屋とれます?」
店主「あいよ」「ベッド二つ?」
テル「二つあると嬉しいです」
店主「うちは狭いから二つあるのは大部屋だけでね。料金このくらい」指で示す
テル「あー……ならー……一つでいいです……寝具だけもう一組借りていいですか?」
店主「あいよ」
テル「夜にまた来ます」
店主「夕食は」
テル「外で」
店主「あいよ」
助手席のネクロを見る
ネクロ「(未だ寝ている)」
テル「(…とりあえずお腹空いたな…)」
とろとろ車を走らせる
屋台の前で
テル「すみませんチキンサンド二つ、お茶も二つ」
屋台のおばさん「はいよ~」
屋台のおばさん「お兄さんたち見かけない顔だね。どっから来た」
テル「東部市内です」
屋台のおばさん「峠道越えてきたのか。大変だったろ」
テル「ええまぁ」
屋台のおばさん「熱いよ」
テル「ありがとうございます」
町を見下ろす丘に移動
ネクロの耳元で緊迫感ある調子で
テル「……総長」
ネクロ「(起床)」
テル「おはようございます。お昼です」チキンサンドとお茶を渡す
ネクロ「………………」
「………………」
「………………」状況把握中
テル「着いたので宿とりました。支部へはまだです。ひとまずお昼食べましょう」
ネクロ「……………」
テル「僕だって総長を寝かしたままで運転することくらいできるんですよ」
「見直して下さいね」
ネクロ「……ああ……うん……まぁ………」
「…………」
「……悪い……」
テル「別にいいですよ。少しは気分良くなりました?」
ネクロ「だいぶ……」お茶を口に含みつつ
テル「何よりです」
テル「さて」食べ終わり
テル「始めますか」
ネクロ「おう」
◆
支部にて
隊員「はぁ?総長?聞いてるか」
隊員「聞いてない」
ネクロ「今月中に視察すると通達したはずだ」
隊員「本当にこれが総長?」
隊員「小さいな」
老隊員「おぉ~坊ちゃん」
ネクロ「生きてたかじいさん」
老隊員「生きてたよぉしぶとく」
ネクロ「何より」
隊員「ジジイと知り合いだ」
隊員「エッじゃあ本当にあれが……」
テル「執務室案内して貰えます?」
支部長「いや~~~!事前に一報頂けたらお迎えに!」
テル「お忙しい中すみません。できるだけ普段の様子を視察したいので」
「今月中に伺う旨は先月文書でお知らせしていたかと」
支部長「いや~~~~~」事務方を見る。首を振る事務方
支部長「いや~~~~~」
ネクロ「どうだ」
テル「ちょっと動線よくないですね」部屋の配置を眺めつつ
「他の部屋の案内もお願いできますか?」
支部長「ああはい!お前……!」事務方に手振り
テル「いえあなたに」
支部長「わ、私……!?」
ネクロ「お前がここの責任者で一番の高給取りだろう」
支部長「いや、そう、ですが……」
ネクロ「お前が一番の視察対象なんだよ。せいぜい張り切って仕事しろ」
隊員「支部長連れ回されてら」
隊員「あの人なんも知らねぇもんな」
テル「ここは?」
支部長「ほ、保管庫……ですね……」
ネクロ「中を検める」
テル「はい」保管物を確認するテル
ネクロ「やましいことがないなら落ち着いて構えていろ」
支部長「や、やましいなんてそんな……」
テル「保管期限切れの文書が大量に」
ネクロ「破棄の期限は守れ。場所代もタダじゃない」
支部長「は、はい勿論……!」
テル「人手が欲しいですね。2人」
ネクロ「じいさん」
老隊員「あいよぉ」
ネクロ「事務仕事得意な奴、手伝いに2人見繕ってくれないか」
老隊員「ほほ!頼られると嬉しいもんだの」
支部長「ぜ、全部検めるので……?」
テル「破棄物品に都合の悪いものを紛れ込ませておくのは常套手段なので」
支部長「そんな、まるでうちが不正をしている前提のような……」
ネクロ「そうは言ってない。ただ現行規則を守っていない以上、信頼性を失っていてもやむを得ない」
「大体本当に不正調査ならもっと大所帯で来る」
支部長「…………」
ネクロ「お前の把握が甘いのも一因だからな。立場に見合った仕事をしろ」
「できないなら他の適任者に任せる」
支部長「(前総長は視察なんて一度も来なかったのに……)」
テル「…………大丈夫そうですね」
ネクロ「ご苦労」
テル「ただ複数書類で書式が更新されていません。効率化を図って改めたものなので通達通りに即時更新して下さい」
支部長「げ、現場も慣れと言うものがあって……」
テル「その上で更新したほうがいいと言っているんです。現場上がりの判断ですのでどうぞ信頼なさって下さい」笑顔
ネクロ「従わないなら背任行為として減給」
支部長「即座に……!!」
ネクロ「この部屋は」
支部長「ええっと」分からない
テル「この箱は」
支部長「ええっと」分からない
ネクロ「この服は」上等なスーツ類
支部長「ええっとー!」
テル「替えた方がよくないですか」
ネクロ「もう少し見てからだ」
老隊員「支部長さんはね、ちょっと欲深だが優しい人だよ」
老隊員「あとちょっと適当だけどね」
ネクロ「……なら結構適任だな」
老隊員「そうだよぉ」
テル「とりあえずこのくらいですか」
ネクロ「管轄地域の見分に出る。詳しい者に同行を頼みたい」
支部長「は、はいっ」
ネクロ「本当はお前にそうであって欲しいがな」
支部長「面目ありません……!」
周辺地域を回る
支部に帰還後
テル「事務補佐官を増員します」
支部長「えっ」
テル「主に事務処理が追いついていないようです。周辺視察の結果、当支部管轄地域には現状特筆すべき脅威は見当たりませんでした。護衛部の活動が行き届いている証拠です」
「取り急ぎ適正隊員への講習を行い、来期の配置交換でも事務に強い隊員を送ります。裏方業務が整えば今より現場への負担も減り、より支部運営が円滑になるでしょう」
「書類整理が滞った組織は汚職の温床となりやすいです。草の根から自浄していきましょう」
◆
支部長「本日はご足労いただきありがとうございました……よかったらご一緒に夕食でも……」
テル、ネクロを見る
ネクロ「それでは、お受けする」
支部長宅で食事したのち、宿へ向かう
支部長「お泊りはどちらで?」
「エッあのボロ…よ、よかったらうちへ……」
ネクロ「いや、環境視察のうちだ。心遣い感謝する」
宿へと歩く
ネクロ「……にしても、自分の机は散らかし放題でよく言う」
テル「あれは僕なりに秩序立っている状態なんです」
ネクロ「散らかす奴は皆そう言う……」
テル「総長のお宅でも散らかす方いました?」
ネクロ「ヒゲ」
テル「先々代……」
ネクロ「後でやろうと思って置いたこと自体を忘れる」
「そのうち適当に置いたその場所を新たな置き場にして延々に積み重ねる」
テル「耳が痛いです」
ネクロ「あの家は、エルリューが人が散らかしたもんを片付けることへ異様にストレスがない奴だったからどうにかなっていた部分がある」
テル「怒ったりしないんですか」
ネクロ「いい加減にしろとはよく言っていたが、さほどイラついている風でもなかった」
テル「いいなぁ……うちにも来てくれないですかね……」
ネクロ「自分の分くらい自分でやれ」
「でないとそのうち俺がアポなしで行くぞ」
テル「えっ掃除しにですか」
ネクロ「掃除しに」
テル「…………悪くないですね……」
ネクロ「拒否反応を示せよ……」
テル「確かに嫌な部分もありますが、同時に楽しみな部分もあります」
ネクロ「自室の汚さを上司に晒すことに楽しみを抱くな」
テル「だってなんか……楽しそう」
ネクロ「…………」
テル「そんなのなしに来ます?たまには」
「妹も喜ぶだろうし」
ネクロ「お前がそれまでに部屋を片付けるならな」
テル「いや~ちょっと見てみたいと思ってません?想像通りかどうか」
ネクロ「お前の評価に関わる可能性があるぞ」
テル「今更~」
ネクロ「随分ナメてんな……」
テル「えへへ……」
ネクロ「……お前さっき飲んでないよな」
テル「ないですよ」
ネクロ「随分上機嫌だな」
テル「楽しいだけです」「全部」
ネクロ「…………」
テル「さて、宿に着いたらベッド権を賭けて一局打ちますか」
ネクロ「お」
テル「先に言っておきますけどもう飲まないで下さいね」
ネクロ「一杯ならよくないか」
テル「ダメです」
ネクロ「ならお前が飲めよ……」
テル「どんな条件で??」
ネクロ「というかお前どっちなんだ。床と」
テル「勿論……運転して疲れたので勝ったらベッドですね!」
ネクロ「まぁ、そうだな」
テル「やっぱり床にします」
ネクロ「いや大人しくベッドにしろよ」
テル「総長に死に物狂いで打って欲しいので床にします」
ネクロ「流石にこれくらいで死に物狂いにはならねぇよ……」
テル「まぁ実はちゃんと寝具借りてるので床でもそんなに悪条件じゃなさそうですけどね」
ネクロ「なんだよ……」
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