【保管庫閲覧規則】
1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
《編纂室連絡窓口》
【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ
【場所】#北部
【人物】#イーリス #ヘルマン #ユリウス
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窓辺で談笑するイーリスとヘルマン
ユリウス「……」
イーリス「あら、お兄様……」
ヘルマン「!」
ユリウス「……」
イーリス「……お兄様、こちらがヘルマンさんよ」
ヘルマン「どうも、初めまして……」
ユリウス、鼻で笑う
イーリス「……」
ヘルマン「……」
ユリウス「ヘルマン、ね……名に似合った如何にも愚鈍な面構えだな」
イーリス「お兄様」
ヘルマン「……」
ユリウス「貧乏貴族の三男坊だったか。まぁこの欠陥品にはちょうどよかろう」
イーリス「……」
ヘルマン「……」
ユリウス「身体が弱すぎて妻としての勤めはろくに果たせぬやもしれんがな。試してからの返品はご遠慮いただけると幸いだ」
ヘルマン「失礼ながら」
ユリウス「……なんだね」
ヘルマン「お兄様といえど彼女をこれ以上侮辱するのは止めていただきたい。」
イーリス「……」
ユリウス「下級貴族の分際で、口だけは達者とは滑稽だな」
ヘルマン「滑稽なのは貴方だ。」
イーリス「!」
ユリウス「……」
ヘルマン「彼女の結婚を祝福出来ないのなら、せめて傷付けないでいただきたい」
イーリス「……ヘルマンさん……」
ユリウス「……」
ヘルマン「……僕が至らないのはごもっともです。ですが、誠心誠意、この身が果てるまで添い遂げる決心です。」
ユリウス「……」
ユリウス「……勝手にするがいい。せいぜい三流とスクラップで仲良くしていることだな」
立ち去る
イーリス「……」
ヘルマン「……」
イーリス「ごめんなさい……」
ヘルマン「貴女が謝る事じゃない……」
イーリス「昔は……あんな人ではなかったんです……」
ヘルマン「……」
イーリス「病気がちな私に……ベッドの脇でいつも本を読んでくれて……」
「庭の草花を摘んできてくれたり……勉強を教えてくれたり……」
ヘルマン「……」
イーリス「兄は頭も良く、身体も丈夫だったので、両親の自慢でした……」
ヘルマン「……」
イーリス「あんな風になってしまったのは……兄に縁談が来た頃からで……」
「……」
「……ずっと私を看病するから、縁談など受けないと……」
ヘルマン「……」
イーリス「当然、周りは困惑して……」
「それから兄は……いくつも縁談を断り続け……」
「痺れを切らした父が……この縁談を……」
ヘルマン「そう、だったんですね……」
イーリス「私に夫が出来れば、兄も改心するのではと考えたようですが……」
「……」
ヘルマン「……お兄様は……愛情深い人なんですね」
イーリス「え……?」
ヘルマン「イーリスさんを、とても大切に思っていた……きっと、今もそれは変わらないんです」
イーリス「……」
ヘルマン「けれど、あまりに深い愛情は、一度裏返ると厄介で……」
「自分でも、どうすることもできないんでしょう……」
イーリス「……」
「そんな風に、考えたことなかったです……」
ヘルマン「……憶測ですけどね」
イーリス「凄いわ……」
ヘルマン「えっ……」
イーリス「ずっと胸につかえていたものが、なくなったみたい……」
ヘルマン「……」
イーリス「お兄様も……幸せになれるといいのに……」
ヘルマン「……」
「……」
「……!」
「い……イーリスさんは……今……」
イーリス「私は……幸せに……なれますでしょう?」
ヘルマン「もっ、もちろん!……」
「きっと……幸せに……」
イーリス微笑む
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