【保管庫閲覧規則】


1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。


※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。


《編纂室連絡窓口》

ご連絡・ご感想等は以下をご利用ください。

ご連絡・ご感想等(匿名)
◊閲覧許可申請等◊ albafores.archive◆gmail.com(◆→@)
【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ


【場所】#護衛部東本部
【人物】#ネクロ #テル #カスタ
=====================

ネクロ「俺の参謀役を任せる予定のテルだ」
テル「は、初めまして……」

ネクロ「元は輜重(しちょう)で補給部隊配属だった。主に隊運営の事務方のまとめ役を担ってもらうつもりだ」
カスタ「初めまして。こいつの義兄のカスタだ」
テル「存じております……ご活躍のお噂は兼ねがね……」
カスタ「そんな畏まらなくていいよ。若いな。歳は?」
テル「18です……」

カスタ「……」
ネクロ「歳は関係ない」
カスタ「そうだけど……」

カスタ「大体どこで見つけてきたんだ?大人しそうな子なのに……」
ネクロ「俺の交友関係に偏見あり過ぎだろ」
「"持って"んだよ偶々見つけた」
「こいつの能力は今後護衛部に絶対役立つ。俺もお前も持ちえない分野だ」
「ホラ得意分野。言ってみろ」
テル「えっ……」
ネクロ「ひとまず自分で説明してみろ」

テル「えっ……えっと……得意なのは……情報集積、です……」
カスタ「情報集積?」
テル「はい……」
ネクロ「要は資料まとめだ」
「俺は交渉事はまあ好きな方だが紙物はそんなにやる気が起きない。お前もだろう」
カスタ「うん」
ネクロ「だが隊運営には必要不可欠だ。こいつは字は壊滅的に下手だが情報を取捨選別して過不足ない資料を作る才能に長けている」
「これを見ろ」くたびれた分厚い紙束を机に置く

ネクロ「こいつの作っていた補給ルートのメモだ。それぞれのルートの詳細、問題発生時の変更パターン、メンバー毎の効率的な役割分担、補給物品の根本的な変更案まである」
カスタ「……何語……?」目を細める
テル「一応フォレス語です……部分的には母語使っちゃってますが……」
ネクロ「俺は読み込んだから全部判るようになった」
カスタ「お前凄いな……というか母語ってことは」

ネクロ「テルの親は高原アズラからの移住組でこいつは移民2世だ。いくつの言語を話せるか教えてやれ」
テル「部族数的には7つです……」
カスタ「7つ……!」

ネクロ「圧倒的に部隊の情報掌握、集積効率が上がる」
「おまけに特技は」
テル「チェスです……」
ネクロ「俺は一度も勝ててない」
カスタ「おお……でも俺チェスが苦手だからお前がどのくらい強いのかよく分かってない」
ネクロ「それなりに強いぞ。一応ガストには勝ったことがある。つまるところ」
「とにかくこいつは情報解析能力と集中力、学習能力が高い」
「長い目で見て現状、こいつ以上に俺の参謀の適役はいない」

テル(照れ…
ネクロ「……元々、第一の内勤に異動の話があったのをこっちに引き込んだ」
カスタ「引き抜きってことか?」
テル「いや……先生が推薦してくれたんです……」
ネクロ「だからコナーのお墨付きだ。奴の後援も期待できる」
カスタ「お前そういうとこ抜かりないよな……」
ネクロ「梢外地域の天下取りだぞそれくらい当然だ」

カスタ「…俺からすると、お前も相当勉強家で頭が切れて向上心が強いと思う」
ネクロ「………」
テル「………」
カスタ「そんなお前がそう言う相手なんだから、きっとそうなんだろう」

カスタ「……あとは変な弱み握られて脅されたりしてないかは心配だけど……」
ネクロ「お前……」
テル「い、いやそういうのは……特にない、です……」
カスタ「大丈夫?何かあったら遠慮なく言えよ?俺はこいつぶん投げられるから……」
ネクロ「いい加減にしろよ……」

ネクロ「……テル、先に話したようにこいつは単純に戦力の要になる。更に俺の物理的抑止力として、独裁にならないようかなりの権限を与える。だが所詮身内だ。割り切れない部分がある」
「その為のお前だ」
テル「……」

ネクロ「俺はお前に他人として外から冷静に俯瞰する役割を期待している」
テル「……はい」
ネクロ「俺は自分が万能だとは微塵も思っていない。ただ何も備えない程愚鈍ではありたくない」
「お前らには俺の道行を支えて欲しい」

カスタ「ああ」
テル「はい」

閉じる ∧

〔 1704文字 〕