【保管庫閲覧規則】


1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。


※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。


《編纂室連絡窓口》

ご連絡・ご感想等は以下をご利用ください。

ご連絡・ご感想等(匿名)
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【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ


【場所】#南部
【人物】#ネクロ #テル
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「目付き悪」
「チビ」
「生意気」

揶揄される少年時代のネクロ

ネクロ「(は、言ってろ)(ワンパターンな煽りしか知らない低能共)」

隣で泣いている子供の気配

ネクロ「(残念だが効果ゼロなんだよ)(なぜなら俺はもう”お前”じゃない)」

楽しそうな母子を見かける

ネクロ「(チッ……)(だからこの程度の事でグズるな……)」

パチパチと弾けるような音

「(お前とは関係ないだろ……)」

次第にバキバキと家屋が焼け落ちる音が大きくなっていき、視界の周囲が焼け焦げ始める
泣きじゃくる子供の足元に目線を落とす


「(スリッパ履いてんじゃねぇよ!)(そんなんだから間に合わなかっ……)」

激しい音と炎に意識が飲まれる



ネクロ「」真っ青になり汗だくで目覚める

目を見開いたまま周囲を見回す
出先のモーテルの個室で独り寝ている


ネクロ「……………」
肩で息をしながらしばし状況を確認する

ネクロ「……(焦げ臭い……)」

周囲を確認しようとベランダに出る
隣のベランダに既にテルがいる


テル「ああ、火事みたいです……」ネクロに向き直り固まる
ネクロ「……」炎と煙の方角を見る

テル「……」ネクロを凝視している
ネクロ「消火は始まってるのか……?」
テル「ええ。ちょっと下がってくれます?」
ネクロ「……は?」テルを見る

隣のベランダから移ってこようとするテル

ネクロ「なっ、バカ止めとけ暗いし3階だぞ……!」
「自分の運動神経を過信するな!大体移って来たら……」
テル「総長こそ見くびり過ぎです、よっ」

ネクロ「う」
テル「わ」

半ば激突してネクロのベランダに二人で倒れ込む

テル「大丈夫です?」ネクロに馬乗りになりながら
ネクロ「話を聞け……」

テル「移って来たら、なんですか?」
ネクロ「カギ持ってねぇだろ……またベランダから戻らないとお前が部屋に入れない……」
テル「ああ……まあマスターキーもありますし……」
「また飛び移ってもいいですし……」
ネクロ「何なんだよ……用があるなら先に言え……」

テル「あー……」
「火事で不安なので、一緒の部屋で寝させて下さい」
ネクロ「…………」

ネクロ「……んな話初耳だが……」
テル「僕が総長に全てを開示してると思います?」降りる
ネクロ「……思わない……が、お前が火事で動揺してるとこなんか見た事ねぇぞ……」
テル「そうですか」構わず部屋に入る

テル「あ、布団がないんだった」シングルルーム
ネクロ「たりめぇだろ……」
テル「まあいいや、ソファ使うんで、総長上着貸して下さい」
ネクロ「………」「受付行って……鍵借りて自分の部屋に戻る……」
テル「喉乾いたな。総長も水飲みましょう」デカンタからグラスに水を注ぐ
ネクロ「だから話を聞けよ……」
テル「ほら、どうぞ」グラスを差し出す


ネクロ「………」困惑しつつそれを受け取り、飲む

テル「…………」その様子を伺う
「……落ち着きました?」
ネクロ「…………」
「……落ち着いてる…」

テル「そうですか」微笑む

それぞれ床につく

テル「じゃ、おやすみなさい」
ネクロ「…………」
「個室料金払ってまでソファで……」納得いかない様子
テル「じゃあベッドに寝ていいんですか?」
ネクロ「…………」目を見開く
テル「冗談ですよ。野営より100倍いいです」
「僕の事はお気になさらず。総長の気配があるだけで安心しますから」
ネクロ「…………」

再び眠りにつく





ネクロ「……(眠れた)」スッキリと目覚める

ソファに目をやるとテルがまだ寝息を立てている


ネクロ「…………」何かを思案しながらベッドを出る



テル「……ん」目覚める
「(コーヒーの匂い……)」

見回すとネクロがカップを片手にこちらを見ている

ネクロ「ホラ」鍵を投げる
テル「あっ」受け取る

テル「取ってきてくれたんですか」
ネクロ「コーヒーは」もう一つのカップを示す
テル「いただきます」
「よく眠れましたか?」貰う
ネクロ「寝た」渡す
テル「よかったです」コーヒーを手に寝ぐせで笑顔

ネクロ「………」面白いんだか嬉しいんだか気恥ずかしいんだかな顔

テル「変な顔」笑顔
ネクロ「鏡見ろよ」そむける

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