【保管庫閲覧規則】


1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。


※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。


《編纂室連絡窓口》

ご連絡・ご感想等は以下をご利用ください。

ご連絡・ご感想等(匿名)
◊閲覧許可申請等◊ albafores.archive◆gmail.com(◆→@)
【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ


【場所】#護衛部東本部 #護衛部北本部
【人物】#テル #ネクロ #クレマン
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テル「申請書!?書類の照会を本部から打診しているのに申請書を求めるんですか!?」
「何故電話連絡しているんだと思います?急ぎなんですよ!」
「だから過去の資料の照会依頼です。詳細は本部長に直接伝えます」
「例外って……いやそちらがこちらからの請求を拒否する権限なんてないんですからそちらが例外的対応を……」
ネクロ「……替われ」
テル「………」
ネクロ「……」
テル「……」しぶしぶ替わる

ネクロ「総長のネクロだ。クレマンを出せ」
「いいから替われ。至急の案件だ」
「お前に文句が言いたいんじゃない。クレマンに言う。お前の落ち度にはならない。いいから繋げ」

「……」

「……主人に替われ」
「二度手間だ。時間が惜しい。居るんだろう」
「じゃあこう言え。照会請求を受けてもどこに何が保管されているか全く把握していないお飾りの本部長ではなく実務担当者を出せと言っていると」

「……」

クレマン『何を騒いでいるのだ……』
ネクロ「あんたがキフロの連絡を軽視するせいで騒ぎになっているんだ」
「言ったはずだ。総長代行権限を与えていると。キフロの連絡は率先で対処しろ」
テル「……」

クレマン『総長、代行……何の後ろ盾も持たないアズラ・タルが……』
ネクロ「もしかして加齢による難聴か?クレマン。急ぎの案件だと再三言っているはずだ」
「喧嘩を売るなら別の機会にしてくれ」
クレマン『ネクロ君……物事には流儀というものがある……我々が君のアズラの言う事を二つ返事できくというのは……あまりにそう、無作法だ……』
ネクロ「………」
クレマン『君にも言ったはずだ……北には北の流儀があると……中央には中央の……草原には草原の流儀があるように……』
ネクロ「いくらグダグダ言おうと現護衛部の最高責任者は俺だ。俺の代には俺のやり方を通させて貰う」
クレマン『なら私の首を刎ねるかね……』
ネクロ「…」
クレマン『刎ねてみるかね……東本部長……もう君の義父上はいないのだよ……』

テル「……総長……」
ネクロ「………」

クレマン『まあいい、それで、用件はなんだったか……今回は例外的に対処しよう……東本部の礼儀がなっていないのはよくよく承知しているからな……』



テル「……目に余ります」
ネクロ「……」溜息
テル「立場を誤認している。中央寄りとはいえ所属は護衛部である以上総長に従わないのは隊則違反です」
ネクロ「……そうだな……」
テル「本当に挿げ替えてしまっては?」
ネクロ「誰に」
テル「北の人間以外に」
ネクロ「それをやるなら中身を丸ごと入れ替える必要がある……」
テル「その方が話が早そうですが」
ネクロ「同時に葬られる案件も山ほどあるだろう……」
テル「結局北を優遇するのは資金面の問題ですよね?」
ネクロ「まぁそうなる……」
テル「北を切ろうとすると第一と北の連合と東西南護衛部で内乱に?」
ネクロ「充分あり得る……」
テル「金貨をちらつかせてふんぞり返るなんて山賊と大差ないじゃないですか」
ネクロ「奴らをまるごと掃除してあの土地を得られれば言うことないが、考え得る代償が大きすぎる……なだめすかして上手く転がしていくのが現状最適解と言えるだろう……」

テル「何故クレマンは先々代のことを?」
ネクロ「……」
テル「先々代は北本部との関係が良かったですよね」
ネクロ「俺も詳しくは知らない……」
テル「………」

ネクロ「いっそロイスを北に置けたら楽そうなんだが……」
テル「絶対嫌がりますよね」
ネクロ「死んでも嫌だと言うだろう……」

テル「どこかに貴族の三男とかいないんですか……適度に北と繋がりのある……」
ネクロ「三男は大体北本部にいる……長男次男は一軍だ」
テル「コナー先生に中央から派遣して貰うとか……エルリューさんがいるじゃないですか!」
ネクロ「あいつが受け持ってんのはヒヨっ子だ。使えるとして5年後かそこらだろ……」
テル「兄弟筋とか……」
ネクロ「今度打診してみろ……」

テル「取り持ってくれないんですか」
ネクロ「……」
テル「もしかしてエルリューさんに頼るのが気まずいとかそういうアレですか」
ネクロ「……」
テル「私情を挟まないで下さいよ仕事なんですから」
ネクロ「あいつに高度な采配を期待しても無駄だぞ……」
「確かに情には厚いがそれだけだ」
「あとはやたら的当てが上手いだけだ」

テル「何もそんなに下げなくても……」
「……あ、そうか、エルリューさんを護衛部に関わらせることに抵抗があるんです?」
ネクロ「……」
テル「そっちか……」
「あー……」
「まぁ確かに……」
ネクロ「この話は終わりだ」
テル「やっぱりエルリューさんのこと好きなんですね」
ネクロ「終わりだ」
テル「ほんと遠回しですよねぇ」
ネクロ「何度も言わせるな」

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