【保管庫閲覧規則】
1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
《編纂室連絡窓口》
【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ
【場所】#道すがら
【人物】#ネクロ #テル
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テル「父は事故で目を悪くして、それを理由にコミュニティから排斥されました」
「父のいた部族に眼鏡という文化はなかったんです」
「笑えますよね」
ネクロ「……」
テル「それで、遊牧民として足手纏いになって、排された父を追ってきたのが母」
「先進的な両親だったんです」
「その後移民申請してから結婚」
「ああ、眼鏡も入手できました。この辺りはとあるフォレス人の仲介があってのことで」
「名前はアルフ。偽名でしょうけど」
ネクロ「…………」
テル「父は元々知識欲が旺盛で…変わり者だったんです。本読みたさに言語を学んで」
「そんな父を……父の特性に目を付けて……彼は度々移住地を訪れた」
「交流は何年も……そのうち僕が生まれ、妹が生まれ、僕が物心がついた頃からは
もう、来るたびに付きっきりでした」
「僕も父と同じだったんです」
ネクロ「好学の士?」
テル「はは、品よく言えば」
「父は喜びましたが……僕は彼に話を聞くにつれ、不満を募らせていました……」
「いくら知識を深めたところで、一生川向うには行けないのだと」
「小川で、居住区が仕切られていて」
ネクロ「……」
テル「暮らし自体は平和なものでしたよ。農業酪農手工業」
「微々たる賃金」
「飼い殺しってやつですが、犯罪とは縁遠かった」
「川向うの方が、度々白煙が上がったり銃声が響いたりで、余程治安が悪いのは
知っていました」
「知っていても、僕からしたらあちらが本当の世界だった」
ネクロ「……」
テル「両親はいいですよ。高原を知っていて、その上で今を選んでいるのだから」
「でも僕は、あのちっぽけな草地から出たことはなかった」
「持て余していました。全て」
「だから、簡単だったでしょうね」
「反政府組織の隠れ蓑に利用することなんて」
ネクロ「…………」
テル「結果はご存知の通りです」
「僕と妹が生かされたのは、ただのお遊びでしょう」
「気持ちは分かります。ダイスを転がしてみたくなる……」
「……一度、向こうから接触がありました」
「でも、僕の彼への憧れは、とっくに怨嗟と猜疑心に塗り替わっていて」
「……その後はもう」
ネクロ「乗っていたら今頃敵対勢力か」
テル「それも面白い展開でしたかね?」
ネクロ「お前を相手に市街地戦にゲリラ戦か。最高だな」ぞっとしつつ
テル「…………(想像して微笑み)」
テルを横目に眺めているネクロ
ネクロ「……もし今後この道を離れるとしても、引き留めはしない」
テル「…………」
ネクロ「疑っている訳じゃなく、刺される理由はあると思っている」
テル「おや寂しいことを」
ネクロ「……」
テル「あんなに熱心に口説いておきながら」
ネクロ「それは…」
テル「違えませんよ」
テル「貴方が、道を見据えている限り」
ネクロ「…………」
テル「貴方には、僕に刺される覚悟より、道連れにする覚悟を持っていただきたいですね」笑顔
ネクロ「……」
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