【保管庫閲覧規則】


1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。


※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。


《編纂室連絡窓口》

ご連絡・ご感想等は以下をご利用ください。

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【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ


【場所】#東部
【人物】#ネクロ #テル
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ネクロとテル、野営したのちの朝
朝食を作っている2人


テル「あー…」
卵を割る時カラを砕いてしまう
隣で湯を沸かしているネクロ

ネクロ「…ヘタクソ」

ネクロ「手際いい方が女受けするぞ」
テル「それは別に、構いませんよ…」
ネクロ「…清楚系と結婚して家を持つんじゃなかったか」
テル「清楚系かは置いておいて、僕の村では成人男性なら当然のようにそうなったんです。親の見立てで結婚がとりなされて、嫁を持って子を持って、ロバを持って羊を持つ。それが当たり前で、他に選択肢はない」

ネクロ「…」
テル「それで、親のない自分でもどうにか一人前になると妹に言い含めていたので、そのまま他の人にも言っていましたが、正直、それは僕の意思って訳でもないんです」

テル「妹も本来とっくに嫁いでいる歳ですからね。お互い分かってはいるんです。村の掟が世界の全てではなかったんだって」

ネクロ「…」

テル「護衛部なんて独身男性だらけですからね。むしろ独身男性の吹き溜まりというか、収監所というか…」
ネクロ「そこまでじゃないだろ…確かに上にいく程少ないが…」
テル「一般的には逆ですよ」
ネクロ「そうかもな…」

テル「…なので、このままでもいいならそれでいいな、っていうのが…正直なところで…」
ネクロ「…」

テル「総長は結婚願望ありますか?」
ネクロ「ない」
テル「でしょう」
ネクロ「…でもお前がしたいなら援助はするぞ」
テル「したくない人にご援助いただきましてもね…」

テル「僕今のままがすごく快適なんですよ」
ネクロ「それは妹がお前の分まで家事をやってるからだろ…」
テル「それは否定できませんが…」
ネクロ「妹がいなくなったらそうもいかねぇだろ」
テル「そうですねぇ…」「でもこの程度はできますよ?」
少し不格好な目玉焼きを渡しつつ

ネクロ「まあ食えはするが…」
テル「充分でしょう」

テル「あと妹の代わりに家事をやって欲しくて結婚相手を探す、っていうのどうなんでしょう」
ネクロ「別にそれが全てではないだろ。…ただ、確かにそれなら使用人でいいな」
テル「でしょう」

テル「子供欲しくないなら人雇えば解決ですよね」
ネクロ「…欲しくないのか」
テル「別に特段。父祖を継いでいく気概もないですし。村でなら持ったかもしれないですが。総長もでしょう」
ネクロ「…まあ」
テル「先々代のように養子をとる手もありますしね」


ネクロ「…でも正直、お前の血が絶えると思うとちょっと惜しいな…」

テル「」


テル「えっ……そ、総長、もし総長が女性だったら僕の子供、産んでくれました…?」
ネクロ「何でそうなる」
テル「僕も総長の血の継承の為なら喜んでご協力しますが」
ネクロ「いらん。落ち着け」

テル「だって今の…ぎょっとしますよ…」
ネクロ「…だから結婚したいなら援助すると言ってるだろ…なんで相手が俺になる」
テル「だって総長にしかそんなこと言われないですもん」

ネクロ「…」
テル「…」

ネクロ「そろそろ行くか」
テル「はい」
黙々と野営を片付ける

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