検索語「PICT: 20250103141817-hmitsuyoshi.jpg」の検索結果[1件]
2025/1/3 Fri 編集
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去年のクリスマス頃に、久々に海外からの小包が届きました。
忘備録的にまとめます。
===
Etsyでうろうろとトルコのラグ屋さんを巡っていたところ、膨大なオーバーダイやストーンウォッシュやパッチワークの中に気になるラグを発見。
1970年代のものと書いてありますが、このお店に限らず多くのトルコラグ屋さんで大抵のラグにそんな風に書いてあり、あまり参考にならず。とりあえずトルコ製のヴィンテージとのこと。
それにしても文様がトルコっぽくない。これトルコラグじゃなくない??
どちらかというとバルーチ…でこのサイズでこのお値段(トルコのコンヤから送料込み)は国内じゃ早々なくない…??
そんな逡巡を経て、届いたのがこちらです。
表面
ちょっと白っぽくなってしまいました…
裏面
マゼンタ…!?
サイズは65x89㎝
厚さは5mm程
経糸はウール
届いた後で1回洗いました。
赤紫系の色が若干出ました。滲みや色移りはなし。
実のところ、ショップの掲載画像では1枚目と2枚目のような画像がほとんどで、裏面をはっきり写した画像がありませんでした。
それでもお値段がサイズにしては割合お手頃だったので、いったれ!とポチった訳ですが、
てっきりシャンパンカラーかと思っていた箇所が、裏を見て元はマゼンタピンク系だったと判ったんですね…!
ボーダー部分の表(左)と裏(右)
グルグル模様のメインボーダーのピンクが日褪せ等により激しく退色しています
サイドの白い糸は、元から白の原毛かと思われ、こちらは表も裏も真っ白です
緯糸は薄い茶色がメイン。
表面のアップ
パイルが全体的にかなり短く、結び目が表からも見えている
シャンパンカラーの糸は結び目部分にマゼンタピンクが僅かに残っている
届いてから観察したところ、結びもペルシャ結び。
トルコ(アナトリア)地域のラグは大体トルコ結びで織られているので、文様といい、どうもやっぱりトルコラグではなさげ。
セラーさんに「これペルシャラグっぽいけど、他にも何か情報あったら嬉しいな!」とメッセージを送ってみたところ、
「そう、(イランの)シラーズ地方のなんだよ」と返信が。
やっぱりトルコで織られてないじゃないか!w
パヤパヤした画像で申し訳ないのですが、このラグはフリンジ根元と耳部分がコットンで補強されていて、その部分はトルコで行われた可能性があります(恐ろしいことにフリンジ根元の茶色のコットンはフリンジを割らずに縫われており、手縫いとみられます…洗って撚りがほどけて判りにくくなってしまった)。
なので部分的にはトルコ製と言えるかもですが…
(できれば来歴は細かく書いておいて欲しいよね…!ほとんどのセラーさんは問い合わせに親切に対応してくれるので、本当は購入前に聞くのがおすすめです)
ちなみにセラーさんはちゃんと【パープルとブラウンとブルーのカラー】だと記載していましたし、メッセージへの返信も発送も早くて梱包も丁寧で、届いたラグも記載通り洗浄済みの清潔なもので、ショップとしては優良なショップだと思います。
ただトルコの安価なラグ屋さんは商売気が強いところが多く、オーバーめな煽り文句が多かったり、品物も正に玉石混交といった感じの印象が強いため、その辺を加味して選ぶと失敗しにくいかもしれません。
これは届いた直後の写真で、判りにくいですがフリンジの撚りがまだ少し残っています。
わたしが洗ったので撚りがほとんどほどけてしまいました。
洗う必要を感じない綺麗さだったのですが、染料の推測のため色の落ち方を見たくなってしまい…
洗う前から匂いはよくて、清浄で微かに甘いウールの匂いがします。
非常に判りにくいのですが、明るめの茶色の糸(メインフィールドやグルグルの主線で使われているニュートラルな茶色のやつ)が鉄媒染による腐食か、他の色より毛先が痩せ気味で揃っていません。
マゼンタからシャンパンカラーに褪せた糸も痩せ気味。
フクシンという紫の合成染料によるものかなと思ったのですが、天然染料の紫でもこういった色褪せがあるようで…。
もしフクシンなら年代推測にかなり役立つのですが…。
濃い茶色には植物片の混入が他の色より多く見られたことからも、恐らく原毛。
混入物は植物片のみで濃い茶の糸以外にはほとんど見られず、またビニール素材は見つかりませんでした。
青は色褪せを感じない鮮やかさ。
セラーさんはシラーズから来たラグだと教えてくれましたが、シラーズは一帯のラグの集積地なので、そこで織られたかは判りません。
判っているのは、
この濃い青で主線が描かれたメダリオン(フックドメダリオンやスパナメダリオン等と呼ばれる)はバルーチラグの中でもタイマニ辺りで見かける文様で(もっと細かく分類するならドルマジというのか、フィローズコヒというのか…)、
ペルシャ結びできっちり織られた織り地は洗っても型崩れせず、
糸は艶があって滑らかで質がよく経糸はウールで、
しかし途中で気が変わったかのように配色を変えてみたり文様もラフだったりと大らかで、
茄子紫・濃い青、ピンク、ブラウンの配色は1900年代半ば~辺りの当該地域ラグでいくつか見られ、
全体のパイルが低いのはトルコでシェービングが行われた可能性も否定できないが(モダン加工として厚みを薄くする加工が流行っている。パイルが短いと扱いやすさも向上するが、経年感を出すほか、送料を浮かすためとも)、一部の色は経年で色褪せ、また低くなったように見え、パイル抜けもいくつか見られ、
サイズ的には恐らくBalisht face(収納袋の表)、
後でコットンで周囲を手縫い補修されてトルコで販売された。
ということです。
正直勢いで購入しましたが、個人的には良質なウールと来歴ミステリーを楽しめて非常に充足感を得られました。
憧れのタイマニ系ラグかもしれないしな…!
…欲を言えば補修前の端が拝みたかったし、毛足が密だった頃はどんなに素敵な手触りだったろうとも思いますが…
そして予想よりちゃんとヴィンテージのラグかもしれなくて、敷いて使うのを躊躇っているし…
とりあえず巻いた状態で撫でたりしています…
毛織物は素敵だな。大事にしよう。