アルバフォレス概要

地理

大陸西端に位置し、北はアラト山脈、東は黄砂漠の部族地帯を境に北壁国、砂宮国と隣接。

国内の大半がステップ気候及び乾燥気候であり、中央に僅かに森林を有する。

乾季(4月~10月)
雨季(11月~3月)

人種

フォレス人の他、《蒼き草原の民(アズラ・タル)》と呼ばれる少数民族、白砂漠固有の遊牧民、隣国からの移民等。

・フォレス人
かつてこの地へと辿り着き、国を興した開祖。現在では地域により特色が異なる.。

《南方フォレス》
南部、東部に多く、主に褐色の肌や髪を持ち、混血により身体の丈夫なものが多い。

《北方フォレス人》
主に北部に居住し、白肌金髪の色素の薄いものが多く、また伝統的因習により血が濃く、遺伝的疾患を抱えているものが多い。

・蒼き草原の民(アズラ・タル)
フォレス人による少数遊牧民の総称であり、固有の民族を指す呼称ではない。地域ごとに山岳系、高原系に大別される。

《山岳アズラ》
北部から西部にまたがる国内最高峰のアラト山脈に居住する遊牧民の呼称で、地域ごとにいくつかの部族に分かれ、肌色も北壁由来の白~浅黒い色まで様々。
一部は定住化し、アルバフォレス国民として帰化している。
視力、心肺能力に優れたものが多い。髪色は浅黒いものが多い。多くは羊飼いや木こり、狩人で、丁稚奉公として都市部に出稼ぎに出ている者もいる。
《高原アズラ》
東部の高原地帯に居住する幾つかの遊牧民部族の総称。一部は定住化し、アルバフォレス国民として帰化しているが、その多くは国や土地に属さない暮らしを続けている。

フォレス人による土地開発のあおりや進行する砂漠化により活動地域を徐々に追われており、それによる部族間の軋轢も強まっている。山岳アズラに比べ部族間衝突が激しく、気質は比較的荒いとされる。
また黄砂漠廃墟群を中心にフォレス人支配に抵抗する反政府組織の拠点も多くあり、フォレス人との衝突も多々ある為、フォレス人に友好的なアズラであっても国内での偏見は根強い。基本的に髪や肌は浅黒く、視力に優れたものが多い。

・ラハール

南部白砂漠内自治区に暮らす遊牧民族。古来よりこの地に住まい、長年に渡りフォレス人とは主権を争っていたが、近年一部部族との友好条約が結ばれ、西部護衛部とは共助関係にある。
《ラハール》は集団としての呼称で、個人を指す場合は《ラハラ》と呼称する。

・北壁人
・砂宮人

言語

公用語はフォレス語。他に地域によって北壁語、砂宮語、山岳アズラによるアラト語(地域により変化)、高原アズラによるティディク語(地域により変化)、ラハラ語等が使用される。また、古語として古代語がある。

 

【フォレス文字の例】(4枚目は一部に北壁語を含む)

ネクロのメモ
ネクロのメモ
ロイスのメモ
テルのメモ
エリーゼの反省文
産業

主産業は農業、牧羊、鉱物、革加工、オリーブ、漁業等。
地域独特の特殊な幾つかの植物が自生しており、それを元にした薬草学が発達している。

宗教

・大樹教
中央首都にそびえる《エリス(エリサリア)》と呼ばれる大樹を母神と
祀るもの。国教。
国民はみなこのエリスから生まれ、死後はまたエリスに還るとされ、エリスが枯れる時国は滅び、エリスを護る事がフォレス人としての天命とされる。
主な葬送は土葬であり、火葬はエリスに還れないとされ刑罰や見せしめ等で行われる。
エリスの根の届く土地に住まう者はみなエリスの子であり、家族である、との共助理念を掲げており、それによる孤児院運営活動が各地で盛んに行われている。

・その他
ラハールによる天空神を中心とした精霊信仰、
山岳アズラの山岳信仰、高原アズラの月信仰がある。

軍隊

・アルバフォレス第一国軍
中央地区専任組織。主に貴族階級などのエリートから成り、中央地区における治安維持活動を主とする。所属人種の大半をフォレス人が占める。


・アルバフォレス第二国軍

通称《護衛部》。民主化に伴い地域自警団から半公営化された組織。
中央を除く地域を管轄とし、国境警備・国内の治安維持・主要施設の警備・交通取締り等の任務にあたっている。
出自を問わず広く隊員を受け入れている。

成人年齢

18歳。
飲酒喫煙解禁年齢についても原則としては同様だが、地域ごとの慣習にもより厳守されておらず、違反の場合の罰則も一律ではない。

教育

7歳から14歳までが義務教育期間となり、各地に公立学校、及び私立学校がある。

初等教育…7歳から11歳
中等教育…12歳から14歳
高等教育(大学)は中央にのみ設立されている。

行事

・収穫祭
作物の実りを祝う祭事。炊き出しやダンスなど地域により様々な様式が見られる。

・落葉祭

大樹教の教義に基づく故人を悼む祭日。
教えでは

”人はエリスの葉として生を受け
その枝を離れた時今生の生を終える
地に着くまでの魂の旅を経て
いずこかの大地に降り立った時
再びエリスの子として大樹に還る”


とされ、故人の旅路を祈る日であるとされる。

一般には花や、旅人の無事を祈るお守りを窓辺に飾る。

 

・星送り
乾季の終わり(11月)に星空を見送る行事。地域ごとに慣習が異なる。
星送りの本祭は新月の夜だが、前後の期間も含めて祭りとされる。

国内地域区分

首都中央地区の他、東西南北4つの地区に大別される。

 

・中央
大樹エリスを中心としてかつての王城や行政施設が集約しており、それを囲むように上流階級の居住区がある。他地域からの出入りは検問にて政府発行の通行手形の提示が必要になる。
特区として第一国軍が常駐、警護しており、他地域との生活格差が激しい。高等教育機関として国内で唯一大学が置かれている。護衛部本部はなく、支部として小規模な建物を有する。
エリスの元の平等を謳い外周に沿った平民地区があるが、ほとんどスラム街であり、住民は《枝境(えだざかい)》として差別的な扱いを受けている。
また、エリスを抱える中央地区は《梢内(しょうない)》、それ以外は《梢外(しょうがい)》地域とも呼ばれる。その場合大抵は梢外地域に対する侮蔑的な意味合いが含まれる。

 

・北部
アラト山脈の最高峰地点を背負う急峻狭量な土地に、古くからの貴族階級としての北方フォレス人、及び少数の山岳アズラが住まう。
樹木が多く水資源にも恵まれているが、平地が少なく
農地は小規模である。中央寄りの地域は古くから中央民の別荘地として栄え、護衛部北本部含め中央との結び付きが強い。

 

・西部
赤色荒野、及び赤砂漠を有する荒涼とした土地に、フォレス人労働者階級を中心に山岳アズラ、北壁移民等が住まう。
古代王朝の遺跡があるが、観光資源として整備されておらず年々風化している。
幾つかの鉱山が伝統的に流刑犯罪者の刑務地として使用され、現在も刑務としての採掘が続けられている。また護衛部の大規模演習、訓練地がある。人口に対する治安指数が低く、慢性的な隊員不足であるとして、西本部では特別給仕員として実質の女性隊員枠を独自運用している。北壁移民の多い地域では北壁語がフォレス語と併用される。

 

・南部
国内最大の白砂漠を抱え、南端は海に面している。緑地は中央、東部隣接部と僅かな沿岸部に限られ、主な産業は漁業、また貿易業となる。
白砂漠は国内で最も砂の粒子が細かく、機械類の隙間に容易に入り込むため、白砂漠内の戦闘ではほとんどの機械は役に立たない。南部護衛部は白砂漠の青ラハラとの和平協定によって共助関係にあり、副長として青ラハラの族長代理を置いている。青ラハラは女性戦闘員を中心とした部族であり、白砂漠内においては彼女達との共助が欠かせない。
海岸沿いに天然温泉があり、一部リゾートとして栄えている。

 

・東部
黄色大砂漠を有する地域で、その大部分は肥沃なステップ地帯であり、農業また工芸、商業の中心地として国内では最も多くの人口を抱える。
なお黄色大砂漠はその全体規模としては白砂漠よりも広大だが隣国との紛争地帯を含むため、全てが国土とはされていない。また元々大部分は緑地であったが、砂漠化の進行により砂地の規模が年々拡大している。護衛部の総本部が置かれ、支部数も多い。また幼年~中等兵科までの隊員養成学校があり、国内から広く孤児を受け入れている。卒業後は必ずしも隊員になるとは限らず、また身体的ハンデがあっても程度によっては入学出来る。隊員としての入隊は男子に限られ、女子は間接的な支援に留まる。

王家

アルバフォレスの開祖とされるアドナ・エル=フォリス家による王政が建国以降敷かれていたが、白樹暦823年のクーデターによりその血は根絶している。

反政府勢組織

民主化以降幾つかのレジスタンス組織が確認されている。