【保管庫閲覧規則】
1.保管物一切の外部持ち出しを禁ず。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
2.編纂室を通さない保管物の改竄を禁ず。
3.保管庫は原則を公開書架とし自由閲覧を許可する。
※保管物の全ては編纂室による架空世界の集積記録であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
※一部保管物には、暴力・死・精神的衝撃、ならびに軽度の性表現・性暴力・虐待を想起させる描写が含まれる可能性があります。
※観測した事象の変遷により保管物に再編纂が生じる可能性があります。
※保管庫内は文書保存の観点より低湿度に維持されています。閲覧に際し眼または咽喉に乾きを覚えた場合は、適宜休息及び水分補給を推奨します。
《編纂室連絡窓口》
【編纂室責任者】蓮賀ミツヨシ
【場所】#お屋敷
【人物】#ネクロ #ロイス
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ロイスの自室にて
ロイス「君ってさ……酔うと大人しくなるよね」
ネクロ「……は?」
ロイス「大人しくて、素直になる」
ネクロ「……」
ロイス「よく、酔った時の振るまいがその人の本性だとかいうじゃない?」
ネクロ「ああ……」
ロイス「君の本性は素晴らしいねぇ……」
ネクロ「本性て……」
ロイス「だから浴びるように飲んでても咎められないんだろうね」
ネクロ「まぁ……そもそも我を無くすほど飲まねぇしな……」
ロイス「無くしたことってあるの?」
ネクロ「潰れたことは、ある」
ロイス「あるんだ……」
ネクロ「一緒にいたヤツに聞いたら普段とそう変わらなかったそうだが、気付いたら翌朝だった」
ロイス「なるほど……」
ネクロ「あれ以来調子が乗らねぇ時は無理に飲まないと誓った」
ロイス「誓っちゃったの」
ネクロ「時と場所は自分で選びたい……気持ちよく飲みたいからな、アルコールに主導権握られるのはゴメンだ」
ロイス「そっか……」
ロイス「酔うとさ、真っ赤になる人いるよね」
ネクロ「エルリューだな」
ロイス「そうなの?」
ネクロ「あいつビール三杯で泥酔する」
ロイス「それは凄い……」
ネクロ「まぁ言動おかしくなる前に寝潰れるんだが」
ロイス「ああ寝ちゃうんだ」
ネクロ「アルコールに前世で恨みでも買ったんだろうな……」
ロイス「ふふ……アルコールに……」
ネクロ「だから飲んでもほとんどジュースみたいなカクテルしか飲まない」
ロイス「かわいい」
ロイス「そういえばカスタさんは飲めるの?」
ネクロ「弱くはないんだが、深酒すると段々言動が……雑になる」
ロイス「雑に」
ネクロ「雑に……口も若干悪くなる」
ネクロ「だから身内に腹黒扱いされる」
ロイス「はは、私と一緒だ」
ネクロ「……」
ロイス「抑圧してるんだねぇ……」
ネクロ「まぁ、してるんだろうな……」
ロイス「……ルイは飲めそう?」
ネクロ「あー……あんま飲みたがらねぇな。食ってばっかりで……」
ロイス「ふふ……」
ネクロ「まだ食い気が勝ってるんだろ……」
ロイス「健全で何より……」
ネクロ「食い気で思い出したが、あいつ最近ウチの出入りのパン屋にプライベートで通ってるぞ」
ロイス「パン屋?」
ネクロ「焼き損じ目当てに。店の手伝いも多少やってるらしいが」
ロイス「どれだけ食い意地張ってるのか……」
ネクロ「店主にはもう随分気に入られてて、娘の婿になんて話もあるとかないとか」
ロイス「えっ」
ネクロ「あいつと同じくらいの娘がいるんだよ。愛想のない赤毛の……他にチビの弟が二人だったか……」
ロイス「婿……」
ネクロ「今度聞いてみろよ」
ロイス「えっ…………うん……」
ネクロ「……胸中複雑?」
ロイス「いや……逆に今までそういう話が全く出なかった事の方が、驚くべきことだよね……」
ネクロ「まあな。俺から見てもいつまでも毛も生えないガキに思えて結婚だのピンとこねぇ」
ロイス「……そう、だよねぇ……」
ネクロ「とっくに生えてんだけどな」
ロイス「……」
ネクロ「……詳しく聞きたいか?」
ロイス「えっ……いや……」
「なんか……人伝に聞いていい事じゃない気がする……」
ネクロ「ククッ……そうか」
ロイス「笑い事じゃないよ……」
ネクロ「笑い事だろ。まぁ特別変わった造りじゃねぇから安心しろよ」
ロイス「……それは安心……」
「今でも一緒にお風呂入ったりするの?」
ネクロ「たまに?」
「遠征先でいい風呂あったりすると、入ったりするな……」
ロイス「背中流したり……?」
ネクロ「あー……それはあんまり。各々思い思いに」
ロイス「いいねぇ……」
ネクロ「参加したいか?」
ロイス「そうだねぇ……」
ネクロ「じゃあ次入る時は現地から呼び出しかけてやるよ」
ロイス「着くまでにどれくらいかかるのか……」
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【人物】#ネクロ #カスタ
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ネクロ「あいつ新しく女できたらしいぞ」
カスタ「あいつって」
ネクロ「エルリュー」
カスタ「へえ、良かったね」
ネクロ「しかも相手は元教え子」
カスタ「結構年下?」
ネクロ「20代」
カスタ「流石だなぁ……」
ネクロ「あいつなんやかんや女が途切れねぇよな」
カスタ「優しいもん」
ネクロ「そんで人に甘えんのが上手いんだよ」
「流石ほぼ他人のオッサンに道端で拾われただけある」
カスタ「そう考えると凄いな」
ネクロ「でも別れんのは壊滅的に下手だな」
カスタ「確かフラれたことないよね?」
ネクロ「前の女が出てきて結果的にフラれたケースは多々あった」
カスタ「そうだ」
ネクロ「アレ覚えてるか、エルリューが朝市行くっつって出てってすぐ戻ってきて、背中押さえながら」
カスタ「覚えてるよ……」笑いつつ
ネクロ「刺された!」
「誰に!?昨日の残党に!?」
ネクロ「「ジャクリーン」」
カスタ「「ジャクリーン」」
ネクロ「クッ……今でも笑える」
カスタ「あれはビックリしたな」
ネクロ「しかもフォークで」
カスタ「穴が三つ開いてたね」
ネクロ「恐ろしいのは刺した女が一人じゃねぇとこだな」
カスタ「何故かだんだん病んでくんだよね……」
ネクロ「あいつにマンツーマンで甲斐甲斐しくされっと性根が腐るのかもな……」
ネクロ「平常でいられたオッサンが異端だったのかもしれない」
カスタ「耐性があったのかな」
「歴代彼女が若くて家庭環境悪そうな子ばっかりだったせいもあるよな……」
ネクロ「確かに。ベタベタに依存させてたからな……ありゃ別れるなら殺してやるって思われても仕方ないか」
カスタ「そう考えると結構酷いよね……」
ネクロ「極悪人の類いだな。女の敵だぞ」
カスタ「平気で10個下とかにも手出してたしね……」
ネクロ「……」
ネクロ「俺のなんとマトモなことか」
カスタ「んん~~~……手放しに同意しかねる」
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【人物】#エルリュー #ルイ
=====================
ルイ「この前の話なんだけど……」
エルリュー「おう、どうだった」
ルイ「結婚する事になった」
エルリュー「おめ……」
「えっ……!?」
エルリュー「えっと確か相手に好きな奴がいないか聞いてみるって段階だったよな……!?」
ルイ「うん。聞いたら、別にいないって言うから、じゃあ俺と結婚しない?って聞いたら、するって。」
エルリュー「……」
ルイ「エルリューに相談して良かった」
エルリュー「お、おう……そりゃ、何よりだ……」
「……」
「野暮な事だが、お前、その子と……その……恋人っぽいことしたことあんのか?」
ルイ「恋人っぽい……」
エルリュー「(一体どの段階からっ……!)」
「ホラ、手ぇ繋いだり……」
ルイ「あぁ」
エルリュー「(あぁ、て……)」
「結婚するからには、その、夫婦な訳で……」
「子供作ったりとか……」
「(なんでこんなビビりながら話してんだ俺は……)」
ルイ「それは、まぁ、わかってる」
エルリュー「(わかってんのか……)」
ルイ「エルリュー、俺、別にそういうのに全く関心ない訳じゃないからね?」
エルリュー「えっ……」
ルイ「……人より淡白な自覚はあるけど……」
エルリュー「そ、そうなのか……俺はてっきり……」
ルイ「もう23だし」
エルリュー「23……!?」
ルイ「うん」
エルリュー「……………………」
「怖っ……」
ルイ「ただ、恋人として付き合ったりするより、もう結婚した方が早いんじゃないかと思って」
エルリュー「……」
ルイ「もう知り合って6年くらい経つし、距離感も家族みたいな感じだったから、改めて踏み切るのも……ちょっとキッカケが欲しくて」
エルリュー「……」
ルイ「だから相談したんだ。上手くいってよかった。親父さんにも、凄い喜ばれた」
エルリュー「……」
エルリュー「ルイ、お前……」
ルイ「ん?」
エルリュー「そんなに喋れたんだな……」
ルイ「喋れるよ」
エルリュー「いや……うん……」
ルイ「……皆でいる時はさ、聞いてるのが楽しかったから」
エルリュー「……」
ルイ「話すの苦手とか、嫌いって訳じゃないんだ」
エルリュー「……そうか」
「……」
「どんな子なんだ?お相手は」
ルイ「ぶっきらぼうで、いつも怒ったような顔してるけど、根は凄く優しい人」
エルリュー「……」
ルイ「……あと、しっかりしてるけど、ホントは結構、甘えたがり」
エルリュー「そうか……」微笑む
ルイ「うん……」
エルリュー「良かったな、おめでとう」
ルイ「……ありがとう」
エルリュー「式には招待してくれよな」
ルイ「勿論」
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【人物】#エルリュー #ルイ
=====================
エルリュー「おう、どうした相談なんて珍しい。まぁなんでも聞けよ、伊達にここまで生きてねぇからな」
ルイ「うん、俺、結婚しようと思ってさ」
エルリュー「ゴフッ」
「……」
「え?……け、結婚……?」
ルイ「うん」
エルリュー「は?え?え、だ、誰と……ってかお前彼女いたの?」
ルイ「うーん…………うん…………」
エルリュー「なんでそこ歯切れ悪いんだよ!彼女じゃねぇのに結婚出来るか?出来ねぇだろ?」
ルイ「彼女……って……どういうの?」
エルリュー「……」
「えっ……と……」
「(まずどの辺から説明が必要なんだ……)」
「とりあえず、結婚したいと思う相手がいるんだな」
ルイ「うん」
エルリュー「相手はお前の事どう思ってるかわかってんのか?」
ルイ「どう」
エルリュー「好きか嫌いかって話だよ」
ルイ「嫌いじゃない……と思うけど」
エルリュー「……(大丈夫か?まさかコイツ全く脈のない女に求婚しようとしてないか?)」
ルイ「婿に来ないかって言われてて。向こうの親父さんに」
エルリュー「……はっ!?」
ルイ「それは断って」
エルリュー「えっ……」
ルイ「でも、結婚するのは悪くないかな、って思い始めて」
エルリュー「……」
ルイ「多分向こうも大丈夫だと思うんだけど、これでいいのかな、ってちょっと聞いてみたくて」
エルリュー「……」
「……なんで向こうも大丈夫だと思うんだ……?」
ルイ「……なんとなく。」
エルリュー「……」
「も……もしかしたら他に好きな奴がいるかもしれねぇぞ……?」
ルイ「あぁ」
エルリュー「(あぁ、て……)」
ルイ「そういうのは、聞いたことなかった」
エルリュー「……」
ルイ「今度聞いてみる」
エルリュー「……」
「おう……」
ルイ「エルリューはさ、なんでティアさんと結婚しようと思ったの?」
エルリュー「俺は……まぁ……」
「正直……向こうがしたがってたってのがデカいが……んー……」
「まぁ、巡り合せ、かな……」
ルイ「巡り合せ」
エルリュー「縁、てやつ?」
ルイ「縁……」
エルリュー「あいつに出会ってなかったら死ぬまで結婚なんてしてなかったかもな」
ルイ「……」
エルリュー「でも悪いもんじゃねぇよ。子供は死ぬほど可愛いし、嫁もおっかねぇけど可愛いし、保護者にも安心されるし……」
ルイ「そっか」
エルリュー「だから、お前が結婚したい相手が出来たってのは、素直に嬉しいよ」
ルイ「……」
エルリュー「頑張れよ」
ルイ「うん、ありがとう」
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